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平成31年度バックナンバー

第11号(平成31年4月10日配信)

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◇◆ 大学入試センターメールマガジン 第11号 ◆◇
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【目次】
◇巻頭言
◆新テストニュース
◇テストは語る~入試統計を読み解く~
◆試験問題企画官リレートーク
◇関連リンク
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◇巻頭言
〔大学入試センター理事 義本博司〕

 新年度の始まる4月は、新たな出会いや生命の息吹が広がる季節です。
大学入試センターを囲む駒場野公園では、毎年淡い色のソメイヨシノから
八重桜の関山など様々な種類の桜の花が目を楽しませてくれます。

 新たな元号も「令和」と決まりました。万葉集を出典として「国民が美しい心を
寄せ合い文化が生まれ育つことを願う」思いが込められていると聞きます。元号に
込められた思いが叶う新しい時代が始まることが期待されます。

 4月4日付で、昨年11月に実施しました大学入学共通テスト導入に向けた試行調査
の結果を公表しました。前回の試行調査から2回目となる本調査は、共通テストで
実施予定である教科科目の記述式・マーク式の問題の分析・検証に加え、実施運営面
を含めた総合的な検証を行うため、全国の大学等を会場として実施しました。詳細に
ついては大学入試センターのホームページをご覧ください。

 今後、試行調査の結果を踏まえ、2019年度(令和元年)初頭に、文部科学省が
策定する実施大綱とともに、大学入試センターにおいて、「大学入学共通テストに
おける問題作成方針及び実施方法等」に関する通知を発出する予定です。また、
2019年度においては、試行調査は行いませんが、2020年度の実施に向けた
準備期間と位置づけ、大学や高校関係者のご協力を得ながら、採点等の準備事業、
成績提供のシステムチェック、周知等を行う予定です。引き続き、ご理解とご協力を
お願いします。

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◆新テストニュース

第2回試行調査の分析結果について

 大学入試センターでは、「大学入学共通テスト」の問題作成や実施に向けた
検証を行っています。2017年度に、全国の高校・中等教育学校にご協力をいただいて
第1回試行調査を実施し、2018年6月には「『大学入学共通テスト』における問題作成
の方向性等と本年11月に実施する試行調査(プレテスト)の趣旨について」を公表
した上で、2018年11月に、全国の大学を会場として第2回試行調査を実施しました。

【試行調査の概要】
 国語(古文・漢文を除く)と数学Ⅰにおいて、それぞれ小問3問の記述式問題を
導入するとともに、知識の理解の質を問う問題や、思考力、判断力、表現力を発揮
して解くことが求められる問題を重視した出題の工夫・改善を行うことを目的に
実施しました。

(1)実施教科・科目等
  国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語(英語)
(2) 受検者数
  68,409人(実人数)

 2018年11月に行った試行調査の実施過程や実施結果については、各科目の問題構成、
設問数、内容等の在り方や、記述式問題の正答の条件と成績表示の在り方、採点及び
検収の体制及びスケジュール、マーク式を含めた成績表示の在り方等の観点から
分析・検討を行い、センターのWebサイトで公表しています。
 分析・検討結果の詳細については以下のURLをクリックしてください。
https://www.dnc.ac.jp/daigakunyugakukibousyagakuryokuhyoka_test/pre-test_h30.html

 今回の試行調査の分析・検証を踏まえ、今年度初頭に、各教科・科目における
問題のねらいや実施方法等(「大学入試センター試験出題教科・科目の出題方法等」
に相当するもの)について正式に公表する予定です。

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◇テストは語る~入試統計を読み解く~
信頼性係数とは
〔大学入試センター研究開発部 荘島宏二郎〕

 テストは、学力を測るための測定道具です。測定道具とは、ある対象に対して、
数値を与える役割をもっています。その意味では、テストは、身長計や体重計と
同じ仲間です。身長計は、cmという単位の下で、体の長さに対して数値を与えます。
体重計は、kgという単位の下で、体の重さに対して数値を与えます。テストは、
(わが国では、多くの場合、100点満点の尺度で)学力の高さに対して数値を
与えます。
 しかし、テストは、身長計や体重計ほど精度が高い測定道具ではありません。
身長計は、背の高い人から低い人までほとんど間違うことなく並び替えることが
できます。また、微小に異なる身長をもつ2人に別の数値を付与することができます。
しかし、テストは、学力の高い人から低い人まで間違うことなく並び替えることは
難しいです。また、わずかに異なる学力をもつ2人を見分けて、2人に異なる点が
与えられるとは限りません。みなさんも経験がある通り、明らかに学年で一番
できる子がいつもテストで学年一位を取るとは限らないし、異なる学力をもつと
目される2人が似た点をとることがあるし、同じ学力くらいの2人が、まったく
異なる点をとってしまうこともあります。
 テストの結果は、たくさん準備したとしても意図していない出題に翻弄されたり、
あるいは、試験直前にペラペラめくった教科書の内容が幸運にも出題されることも
あります。テスト不安が強くて、通常の力が出ないこともあります。いろいろな
要因によって左右されるのです。それだけではありません。その日の体調や気分、
隣の人の咳や鼻血などにも影響されます。つまり、テストの結果は、純粋に学力
のみが反映されたものと考えることは難しいです。そういったことが複数重なり、
同程度の学力の人が同程度の点数を取るとは限らないのです。
 しかし、同じ身長の人は、身長計で同じ数値として報告されます(同一個人の
身長でも、朝起きたときのほうが身長が高かったり、猫背の人のほうが身長が
低かったりはありますが)。同じ体重の人は、体重計で同じ数値として報告
されます。そう考えると、テストで測定した結果は、身長計や体重計ほどには
信頼できないことがわかると思います。
 それでも、テストがどのくらいの信頼性があるのかを調べることができます。
テストの信頼性とは、同じ学力の人には同じ点を与え、異なる学力の人には異なる
点数を付与することがどの程度できるのかという、テストの性能を評価することの
できる数値的指標です。具体的には、信頼性係数というものを計算します。
 信頼性係数はいくつかありますが、よく用いるのは「クロンバックのアルファ係数」
や「マクドナルドのオメガ係数」です。センター試験の信頼性分析には、計算が簡単
であるということもあり、よくクロンバックのアルファ係数を用いています。
アルファ係数は最大で1.0をとり、そのとき、もっとも信頼性が高い状態です。
一般に、0.8を超えると高いと言われます。その中でも、たとえば、センター試験の
英語(筆記)は、年度によっては0.9を超え、非常に高い信頼性をもっています。
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◆試験問題企画官リレートーク
立場の違い

〔大学入試センター 新テスト実施企画部
 試験問題企画官(地理 担当)〕

 大学入試センターに赴任して一年が過ぎました。世の中では、真新しい制服や
スーツ姿の若者の姿を目にすることが多い季節となりました。
 私は学生時代に、バックパッカーでインドを旅行しました。当時の日本とインド
との経済格差は大きく、私は日本人というだけで多くのインドの子どもたちから
お金や食べ物を求められました。
 ある町で20人くらいのインドの子どもたちに囲まれていたところ、一人だけ左手の
手首から先がない女の子からお金を求められました。病気にでも罹ったのか、かわいそう
だなと思い日本円で10円ほどのお金をわたしました。
 数日後、電車に乗っていると向かいの席に座っていたインド人から話しかけられ、
会話の中でこの女の子の話をしました。すると、そのインド人は「なぜお金をあげた
のだ!」と私に怒鳴りました。私はなぜ怒られなければならないか分からず驚きました。
するとそのインド人は「その女の子の手首は母親が切ったのだ。そして、日本人から
お金をもらえると分かると、他の母親も自分の子どもの手を切ってしまうのだ」と
話しました。私にはインドの人々が置かれている状況が全く分かっていなかったのです。
 この話を現在の仕事に置き換えると、試験問題企画官は大学入試の問題を作成する側と
解答する側双方の立場に立ち、取り組まなくてはいけないということかと思います。
問題は公平公正であり、受験生にとっても納得のいくものがのぞまれます。大学入学
共通テストの実施も次年度に迫り、春の訪れとともに、気持ちを引き締めていきたい
と考えています。

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◇関連リンク

大学入学共通テストの導入に向けた平成30年度(2018年度)試行調査(プレテスト)
の結果報告及び地理歴史A科目の参考問題例について(平成31年4月4日)
https://www.dnc.ac.jp/news/20190404-01.htmll

「大学入学共通テスト実施方針(追加分)」における離島・へき地の
対象地域について(平成31年4月5日)
https://www.dnc.ac.jp/daigakunyugakukibousyagakuryokuhyoka_test/en_add.html

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