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平成18年度年度計画

独立行政法人大学入試センターの年度計画(平成18事業年度)
平成18年4月1日
文部科学大臣届出

Ⅰ 業務運営の効率化に関する目標を達成するためとるべき措置

1.大学、高等学校その他の関係機関との連携協力に留意した組織を整備し、業務の効率化を図る。

(1)事務組織については、業務を精査し、必要に応じて改編するとともに国立大学等と人事交流を行う。
 
(2)研究組織については、円滑に研究が遂行されるよう研究組織内での連携協力体制及び事務組織との連携協力体制を見直すとともに、積極的に大学等と人事交流を行う。
 
(3)各種委員会組織の必要性を十分に踏まえた上で効率的な運営が可能となるよう適切に見直す。

2.管理運営業務等の効率化を図る。

(1)国において実施されている行政コストの効率化を踏まえ、大学入試センター(以下「センター」という。)において実施している既存業務の徹底的な見直し、効率化を図り、一般管理費については3%以上、その他の事業費においては1%以上の効率化を図る。
 
(2)「独立行政法人等の業務・システム最適化実現方策」(2005年6月29日各府省庁情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定)を踏まえ、業務・システムの最適化に取り組む。
①国の行政機関の取組に準じて、「大学入試センター試験業務の業務・システム最適化計画」に係る監査計画の策定に取り組む。
②業務・システムに係る監査を行うため、先進事例や取組等を調査・検討し、業務・システム監査計画を策定する。
新業務システム開発基本計画に基づき、大型汎用コンピュータを更新するとともに、現行の「大学入試センター試験システム」を刷新するためのシステム開発 を行う。あわせて業務改革を行い、システムコスト削減、システム調達における透明性の確保及び業務運営の合理化に取り組む。
③業務・システムに関する最適化計画については、「業務・システム最適化計画策定指針(ガイドライン)」(2005年2月2日 各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議事務局)に従い、現行体系及び業務見直し方針を作成する。
 
(3)受験者の利便性に配慮しつつ試験会場の集約や試験問題等の印刷経費の削減を図る。
 
(4)進路指導セミナーの開催地区数は4地区とする。
 
(5)業務内容の見直しを行い、秘密保持に配慮しつつ外部委託を推進するとともに、既に外部委託を実施している業務についても、契約内容等を精査し、より一層の効率化を図る。
 
(6)自己点検・評価を行うとともに、外部委員で構成される組織による第三者評価を行い、必要に応じて業務の見直しを図る。

Ⅱ 国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するためとるべき措置

1.センター試験の確実な実施による適切な大学入学者選抜の実現への貢献

センター試験の円滑で適切な実施を実現するための業務を行う。
また、高等学校の教育内容の実態、大学からのニーズ及び入試改善に向けての国の審議会の答申等に対応し、センター試験の改善を図る。
 
(1)試験問題作成及び採点等を適切に実施する。
①良質な試験問題を作成する。
ア試験問題の作成経験者及び外部の学識経験者等からの意見を参考に、試験問題作成の基準等を定める試験問題作成要領を整備し、試験結果等に基づき見直しを行う。また、試験問題等に係る秘密保持体制について改善を進めるとともに、試験問題作成作業の効率の向上を図る。
イ試験問題は、分野別の専門家の協力を得て作成する。
ウ緊急事態に対応するため、緊急対応用試験問題を常備しておく。
エ試験問題の作成経験者及び高等学校関係者等で構成する委員会で、試験問題の出題範囲、出題内容、記述及び難易度等の点検並びに科目間の難易度調整及び出題内容等の重複回避のための点検を行う。
オ良質な試験問題を作成するため、試験問題を作成する大学教員等を配置するために必要な経費を確保するよう努め、適切に配分する。
カ試験実施後、自己点検・評価を実施するとともに、高等学校関係者等による試験問題の第三者評価を実施し、それぞれ70%以上が良問であるとの評価を得られるようにする。
さらに学会等からも広く意見を求め、その結果を公表する。
キ問題作成委員の負担を軽減し、効率的に良質な試験問題を作成するため、教科書データベース検索システム及び試験問題データベースの改善・運用を行う。
②大学との緊密な連携により、円滑に試験を実施する。
ア試験実施上想定される事例等を整理し、対応措置等について実施要領及び監督要領等の各種マニュアルを整備し、試験の実施結果に基づき見直しを行い、円滑に試験を実施する。
イ利用大学及び高等学校等に対して説明会の実施や、ホームページを活用することにより、試験実施上の留意点等について周知徹底を図る。
ウ新規利用大学等に対して、試験実施体制等について指導及び調査を実施する。
エ 障害のある者等に対して、障害等の種類・程度に応じた試験時間の延長、出題・解答の方法等の受験上の特別措置を講ずる。
オ平成22年度センター試験(リスニング)に使用する機器の準備に向け試行テストを実施する。
カ試験実施当日のセンター実施本部と各試験場実施本部との連絡体制について、業務の効率化を図るため情報技術を活用したシステムの導入を検討する。
③試験問題等の適切な管理及び輸送を実施する。
ア輸送要領等の各種マニュアルを整備し、試験の実施結果に基づき見直しを行い、適切な管理及び輸送を実施する。
イ秘密保持に十分留意した試験問題等の適切な管理体制及び安全な輸送体制を確保する。
ウ利用大学に対して説明会を実施し、当該大学における試験問題等の受領・返送及び管理上の留意点等について周知徹底を図る。
エ新規利用大学等に対して、試験問題の管理体制等について指導及び調査を実施する。
④正確な成績処理及び成績提供を実施する。
ア成績提供要領等の各種マニュアルを整備し、試験の実施結果及び利用大学のニーズに基づき見直しを行い、正確な成績処理及び成績提供を実施する。
イ電子計算機及び光学式マーク読取装置を適切に管理・運用する。
ウ利用大学に対して説明会を実施し、成績請求データ等の取扱い及び成績請求・提供業務の留意点等について周知徹底を図る。
エ新規利用大学等に対して、成績請求データ等の取扱い等について指導及び調査を実施する。
オ試験成績の開示を希望する受験者本人に対して、当該年度の入学者選抜の全体日程終了後に試験成績を開示する。
 
(2)センター試験の改善に資するため、以下の調査研究を行う。
①試験問題の作成経験者等と協力し、可能な教科・科目について、過去の問題の分析結果を作題の更なる改善に活かす方策について検討し、その結果に基づいて研究を進める。
②平成20年度センター試験データの試験問題統計情報データベースを構築する。また、過去の試験問題の有効活用を図るため、試験問題統計情報データベースにおける検索及び情報呈示方法の改善を行う。
③教科・科目の枠を超えた基礎的な総合問題について、過去の解析結果を踏まえた調査研究を行う。また、有識者による意見を踏まえて、現行センター試験と基礎的な学力を測るための新たな試験を併用して、年度内複数回実施を実現する方式の導入に際しての諸課題等について調査研究を行う。
④センター試験成績の複数年度利用等を考慮し、問題の難易度を踏まえた成績の標準化に関する研究や、蓄積されたデータに基づく得点調整の研究を行う。
⑤普通教科「情報」、「数学基礎」及び「理科基礎」に関し、出題の可能性について検討するため、高等学校における実施状況や大学のニーズを把握するための調査研究を行う。
⑥センター試験の役割の改善に関する、大学関係者等を対象とする調査研究を行う。
⑦リスニングテストの実施結果等を検証し、実施方法等についての改善を図るための調査研究を行う。
⑧障害のある者を含む全ての受験者に配慮したセンター試験の設計に関する研究を、大学等の研究者と共同で行う。
 
(3)関連業務を受託し、広報活動等を促進する。
①国等が実施する公的試験に関する業務について、本来の業務に支障のない範囲で受託し、受託料収入の確保を図る。
②新規利用大学の増加が図られるよう、積極的な広報活動等を行う。
③センター試験に関する各種情報の公開を一層進める。

2.調査研究の充実による各大学の入学者選抜方法の改善への貢献

(1)入学者選抜方法の改善に関する調査研究
大学の入学者選抜方法の改善に資するため、次に掲げる研究課題に対応した研究体制を確立し、計画的に研究を推進する。研究の実施に当たっては、研究費の効率的な執行とともに科学研究費補助金等の競争的資金を積極的に活用する。また、「研究開発部活動報告」を作成して厳格な評価を行う。なお、重要課題については一定の期限を付して重点的に実施する。
①教科・科目の枠を超えた基礎的、総合的試験で測定可能な能力を把握するための調査・研究を行う。また有識者の意見を参考にして、要望のある総合的試験の利欠点、実現可能性等に関する調査研究を行う。
②学生が、高等学校教育から大学教育へ円滑に移行できるよう、高等学校と大学の接続、特に高校の教育課程編成と大学の入学者選抜の対応について調査研究を行う。
③リスニングテストの実施に伴う波及効果についての研究を実施する。
 
(2)各大学との連携の推進
各大学の入学者選抜方法の改善に資するため、センターが主体となり、各大学と連携して入学者選抜研究協議を実施する。これにより入学者選抜方法の改善に関する研究の交流及び協力並びに研究成果の公表を行うとともに、研究成果の一層の向上と普及を目指して、大学の研究者とのネットワークを構築し、共同研究の積極的な推進を図る。
 
(3)法科大学院適性試験に関する調査研究
①調査研究の一環として行ってきた法科大学院に入学を志願する者に対し実施される適性試験(以下「法科大学院適性試験」という。)の試験的実施は、以下の実証的調査研究として行う。
ア法科大学院における履修の前提として要求される判断力、思考力、分析力、表現力等の資質を適切に測定するための試験問題の作成
イ法科大学院適性試験の正確な成績処理及び成績提供
ウ法科大学院適性試験の実施方法や実施結果等の分析・評価及び成果の公表
②試験的実施を通じて蓄積した試験問題の作成・試験の実施方法等に関する成果を基に、法科大学院適性試験の有効性をより高めていくために必要な調査研究を行う。

3.進路指導や進路選択に資するための適切な情報提供

大学入学志望者が、その能力・適性に応じた適切な大学進学が可能となるよう、また、高等学校の進路指導担当者が適切な進路指導を行うことに資するため、インターネット等の方法により大学に関する情報を提供するとともに、高等学校関係者と大学関係者のコミュニケーションを図る場を設ける。
 
(1)インターネットを利用したハートシステムにより、適切な大学進学情報の提供を行う。
なお、提供する大学進学情報の範囲は、大学入試センターが提供するにふさわしい情報に精選するとともに、利活用しやすいものに内容を工夫する。
また、ハートシステムに対する利用者の意見・要望等を収集し、大学入学志望者等の視点に立った内容に適宜改善を行う。
 
(2)主として高等学校における進路指導の利便性を考慮し、印刷物による大学進学情報の提供を行う。
 
(3)高等学校関係者と大学関係者がコミュニケーションを図るためのセミナーを大学等と共同で実施する。
セミナーについては、高校生等も参加できるようプログラムを工夫するとともに、参加者数の増加を図るため、広報は開催地区の大学等と共同して行うこととし、開催地区の大学入学志望者及び高等学校関係者のニーズを踏まえたプログラムを企画する。
さらに、大学入学志望者、高等学校関係者及び大学関係者に対する満足度調査を行い、70%以上の満足度が得られるようにする。

4.業務の公共性にかんがみ、管理・運営に関する情報及び事業等に関する情報等を積極的に公開する。

(1) 情報公開に係る窓口の整備を行うとともに、法令で定められた財務諸表等の情報を公開する。
(2)管理・運営及び事業等の情報を、ホームページ等を活用して積極的に公開する。

Ⅲ 予算(人件費の見積りを含む。)、収支計画及び資金計画

1.当該年度に係る予算(人件費見積りを含む。)

事業を適切に実施するために必要な予算額を計上
(単位:千円)
収入
11,484,592
運営費交付金
496,899
検定料
9,834,000
成績提供手数料
645,240
成績開示提供手数料
300,626
適性試験受験料
200,000
その他
7,827
支出
11,484,592
  業務経費
11,207,724
   うち 人件費
752,714
      試験実施経費
10,082,750
      大学進学情報経費
78,895
      入学者選抜方法改善研究経費
133,890
      適性試験経費
159,475
 一般管理費
276,868
   うち 人件費
211,058
       物件費
65,810

2.当該年度に係る収支計画

事業を適切に実施するために必要な収支計画を立案
(単位:千円)
費用の部              
11,530,625
  経常費用              
11,527,164
   試験実施経費            
10,073,705
   大学進学情報経費          
78,895
   入学者選抜方法改善研究経費     
133,890
   適性試験経費            
159,475
   業務人件費             
752,714
   一般管理費             
273,407
   減価償却費             
55,078
財務費用              
3,461
 
収益の部             
11,530,625
   運営費交付金収益          
496,899
   検定料収入             
9,834,000
   手数料収入             
945,866
   適性試験受験料収入         
200,000
   資産見返運営費交付金戻入      
42,385
   資産見返物品受贈額戻入       
2,699
   資産見返寄附金戻入         
949
   雑収入               
7,827
   
純利益               
0
総利益               
0

3.当該年度に係る資金計画

事業を適切に実施するために必要な収支計画を立案
(単位:千円)
資金支出              
12,605,218
  業務活動による支出         
11,376,965
  投資活動による支出         
107,627
  財務活動による支出         
820,000
  次年度への繰越金          
300,626
資金収入              
12,602,994
  業務活動による収入         
11,484,592
   運営費交付金による収入       
496,899
   その他の収入            
10,987,693
  投資活動による収入         
0
  財務活動による収入         
820,000
  前年度よりの繰越金         
298,402

4.人件費の削減

国家公務員の給与構造改革を踏まえ、役職員の給与について、必要な見直しを行う。

Ⅳ 短期借入金の限度額

30億円(年度当初の運営資金、収入不足への対応のための経費に必要となる可能性があるため。)

Ⅴ 重要な財産を譲渡し、又は担保する計画

今期間中は特になし

Ⅵ 剰余金の使途

センター試験の充実・改善、質の向上
特に高等学校学習指導要領が改訂された場合の緊急対応用試験問題の作成に係る経費に充てる。

Ⅶ その他主務省令で定める業務運営に関する事項等

1.施設・設備に関する計画

業務の実施状況等を勘案した施設設備の整備(光学式マーク読取装置等)や、防災、セキュリティの確保、安全な勤務環境の確保の観点から、必要な施設設備の改修等を行う。

2.人事に関する計画

(1)方針
人事に関する計画の策定・実施により、適切な内部管理事務を遂行する。
 
(2)人員に係る指標
常勤職員については、適宜、業務等を精査し、職員数の適正化に努める。