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令和元年度バックナンバー

全て開く
第15号(令和2年2月28日配信)
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◇◆ 大学入試センターメールマガジン 第15号 ◆◇
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【目次】
◇巻頭言
◆新テストニュース
◇テストは語る~入試統計を読み解く~
◆関連リンク
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◇巻頭言
〔大学入試センター理事 義本博司〕
 平成2年から始まった大学入試センター試験は、31回目となる今回で最後となり
ました。その大学入試センター試験は、1月18日、19日の本試験、1月25日、26日
の追試験・再試験ともに、大きな混乱やトラブルがなく、無事に実施できました。
50万人を超える受験者を対象とした同一日程で実施する大規模試験が定着し、
安定的に運営できましたのも関係の皆様のご尽力によるものであり、心より感謝申
し上げます。
 令和3年度入学者選抜から、大学入試センター試験の蓄積を基盤として思考力・
判断力・表現力をより重視した新たな試験として大学入学共通テストを実施する予
定です。
 その大学入学共通テストに関し、国会等での様々な議論を経て、昨年11月1日に
民間の英語資格・検定試験の活用の延期が、また、12月17日に国語・数学における
記述式問題導入の見送りが、それぞれ文部科学大臣から発表されました。
 このことを受け、大学入試センターとしても文部科学省において見直された「令
和3年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱」に基づき、「出題教
科・科目の出題方法等」を見直し、本年1月29日に公表しました。
 試験の実施に関する方針を実施1年前に変更することとなり、受験者・関係の皆
様にご迷惑をおかけし、試験実施機関としても大変申し訳なく思います。
 大学入試センターとしては、令和3年1月の第1回大学入学共通テストの実施に
向け、各教科・科目の問題を通じて、受験者の資質・能力をバランスよく評価し、
高等学校教育の授業改善にも良い影響を与えることができるようなメッセージ性の
ある良問を作成するとともに、実施へ向けた準備に万全を期して取り組んで参りま
す。
 また、これまでの経過を踏まえた英語4技能評価や記述式出題のあり方について
は、文部科学省に設置された「大学入試のあり方検討会議」において、今年1月か
ら議論が始まりました。今後、1年間を目途に検討が行われる予定ですが、試験実
施機関である大学入試センターとしても、この会議に真摯に対応していく予定です。
 
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◆新テストニュース
令和3年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テストの出題方法等の変更について
 
 大学入試センターでは、国語及び数学の記述式問題の導入見送りに伴い、令和2
年1月29日に文部科学省において見直された「大学入学共通テスト実施大綱」に基
づき、当センターが令和元年6月7日付で公表した「大学入学共通テスト出題教科
・科目の出題方法等及び大学入学共通テスト問題作成方針」を一部変更し、各関係
機関に対し通知したところです。
  一部変更の箇所については、「国語」及び「数学1」における、試験時間(配点)、
解答方法等、問題作成の方針及び出題形式が対象となっております。
 また、上記の変更点とあわせて、大学への成績提供の内容、日程及び共通テスト
実施後の公表資料についても変更があり、詳しくは大学入試センターのホームペー
ジに掲載されておりますので、そちらをご覧ください。
(https://www.dnc.ac.jp/news/20200129-01.html)
 
 なお、令和4年1月以降に実施する大学入学者選抜に係る大学入学共通テストの試
験時間(配点)等については、毎年、年度初頭に文部科学省が策定・公表する翌年度
の大学入学共通テスト実施大綱に基づき、出題教科・科目の出題方法等及び問題作成
方針において定め、お知らせする予定です。
 
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◇テストは語る~入試統計を読み解く~
 
CBTにおけるテストの出題
〔大学入試センター研究開発部 宮澤芳光〕
 
 CBT (Computer Based Testing)は、コンピュータ上でテストの問題項目(以下「項
目」という。)の配信や解答ができ、近年、実用化が進んでいます。例えば、国家試
験である情報処理技術者試験ITパスポートや臨床実習開始前の学生の知識・技能・態
度を測定する医療系大学間共用試験といった、受検者に対してテスト結果が人生に大
きな影響を与えるようなテスト(以下「ハイステークスなテスト」という。)で活用
されています。既に2007年にCBTの国際規格ISO/IEC 23988:2007(国内規格JIS X7221
:2011)が策定され、今後、さらに普及されてくるものと考えられます。
 この規格では、資格試験や入学試験等といったハイステークスなテストにおいて
等質テストの利用が推奨されています。等質テストとは、テストに含まれる項目は異
なるが、同じ能力測定精度を持つテスト群です。この等質テストを構成するアプロー
チは、テスト実施前に項目を必要な数だけ作成するというセンター試験等の従来のテ
スト作成とは大きく異なります。CBTでは、アイテム・バンクと呼ばれる細分化された
教育目標と各目標に対応した項目、それに関するテスト実施後の統計データなどをコ
ンピュータ・データベース上で管理します。
 等質テストの構成では、このアイテム・バンクのデータを利用し、テストの統計的
な性質は同等であるが、異なる項目から構成されるテスト群を作成します。等質テス
トは、当初、項目の組み合わせの数が膨大であり、その計算量の大きさから少数しか
生成できませんでした。しかし、近年では、たくさんの等質テストを自動で生成でき
る技術が開発され、医療系大学間共用試験などの実際のテスト運営でも実用化が検討
されています。
 また、等質テストの構成では、構成されるテストの数が非常に重要であり、受検者
に対して可能な限り版の異なるテストを割り当てて能力の測定を行います。これによ
り、項目やテストの暴露・流出するリスクが減り、より信頼性の高いテストを実現す
ることができます。
 さらに、CBTには、適応型テストと呼ばれる項目出題方式があります。適応型テスト
は、受検者の解答履歴から能力を逐次的に推定し、その能力に最適な項目を出題しま
す。これにより、受検者の能力に対して難しすぎる項目や容易すぎる項目を出題せず、
受検者の能力を効率的に測定できます。
 近年では、適応型テストの枠組みに基づき受検者に割り当てられた等質テストから
受検者の能力に応じて項目を出題するテスト出題形式が提案されています。これによ
り、効率的に受検者の能力を推定しながら、アイテム・バンク内の項目を広く活用し、
項目の過度な露出を減らすことが期待されています。CBTは、前述の通り、国家試験
などのハイステークスなテストに導入が進んでいます。ハイステークスなテストでは、
学力が同じ受検者であれば何度テストを受けても同じ結果になるようにする必要があ
ります。CBTでは、同じ能力測定精度を保った異なるテストを数多く自動で作成し、
受検者一人ひとりに応じた項目を出題することができます。
 
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◆関連リンク
 
(令和2年2月6日)
令和2年度大学入試センター試験 実施結果の概要
https://www.dnc.ac.jp/center/shiken_jouhou/r2.html
 
(令和2年1月29日)
令和3年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テストの出題方法等の変更について
https://www.dnc.ac.jp/news/20200129-01.html
 
(令和元年11月15日)
大学入試英語成績提供システムの導入延期に伴う令和3年度大学入学者選抜大学入
学共通テストの出題方法等について
https://www.dnc.ac.jp/news/20191115-01.html
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第14号(令和元年10月9日配信)
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◇◆ 大学入試センターメールマガジン 第14号 ◆◇
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【目次】
◇巻頭言
◆新テストニュース
◇テストは語る~入試統計を読み解く~
◆関連リンク
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◇巻頭言
 
〔大学入試センター理事 義本博司〕
 
 衣替えのシーズンとなり、ようやく秋の訪れが感じられるようになりました。9月30日
には、今年度で最後となる大学入試センター試験の出願受付が始まりました。締め切りは
10月10日まで。センターの職員がセンターに届いた出願書類の封を開け、一人ずつ記載漏
れがないかの確認をします。50万人を超える出願書類を一人ずつチェックすることから職
員総出で行います。こうした光景が新聞やテレビで報道されるなど秋の風物詩となってい
ます。
 大学入試英語成績提供システムに関し、先日、文部科学省から運営方針が示されまし
た。受験者や高校関係者から不安の声があることを踏まえ、受験者がより一層安心して受
験することができるよう、民間試験団体の試験実施内容や大学の活用方針を早期に確定・
公表することや、万一のトラブル発生や試験が受けられなかった場合のセーフティネット
を構築すること、更に運用改善に向けて関係者による協議を行うことなどが盛り込まれて
います。大学入試センターとしても、文部科学省と連携しながら、必要な取組を進めてま
いります。
 11月1日より、大学入試英語成績提供システムを利用するための「共通ID」の発行申込
が始まります(11月14日までが「集中発行申込期間」)。申込方法等を記載した「共通
ID発行申込案内」を活用して、申し込み準備を進めていただくようにお願いします。
申込案内は大学入試センターホームページから申し込むか、または申込案内をダウンロー
ドして使用することもできます。更に、英語成績提供システムに関する共通ID発行申し込
みの手続きに関する説明会を都道府県や政令市ごとに、地元の教育委員会や高等学校校長
会のご協力を頂き、11月末までを目途に全国約80か所で開催しています。また、ご質問等
についてはセンター内に志願者問合せ専用電話(0570-024-550(ナビダイヤル))を設け
ておりますので、こちらも適宜ご活用ください。
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◆新テストニュース
「大学入試英語成績提供システム」の共通ID発行申込案内の配布を開始しました!
 
 令和3年度大学入学者選抜より、「大学入試英語成績提供システム」を利用した英語
の資格・検定試験の成績が大学へ提供されることになります。このシステムを利用する
選抜を受験される方は、資格・検定試験の受験申込前に大学入試センターが発行する
「共通ID」が必要となりますので、発行申込期間に、忘れずに申込みをしてください。
(集中発行申込期間:令和元年11月1日(金)~11月14日(木))
申込方法等は、9月2日より配布を開始しています「共通ID発行申込案内」をご覧くださ
い。
https://www.dnc.ac.jp/eigo_seiseki_system/r3_id.html
 
 大学は、学部・学科等の募集単位ごとに選抜方法を決定していますので、英語の資格・
検定試験を受験する際にはあらかじめ、大学が発表する情報をよく確認してください。
以下は、確認の手順の例です。
・どの大学の学部・学科を受験するか
・受験しようとする学部
・学科の入試のうち、どの選抜方法(総合型選抜、学校推薦型選抜、一般選抜など)を受験するか
・受験しようとする選抜方法はどの英語の資格・検定試験を利用するか
・受験しようとする選抜方法において、取得した成績はどのように扱われるか(出願資 格・加点など)
・大学が利用する英語資格・検定試験をいつまでに受験する必要があるのか(受験期間
 A・B・Cのうちどの受験期間に実施される試験を受験する必要があるのか)
 
 文部科学省及び大学入試センターでは、受験者の英語資格・検定試験の選択に資するよ
う、試験に関する様々な情報を提供していますので、こちらもご参照ください。
 
(1)文部科学省大学入試英語ポータルサイト(8月27日開設)
 
 受験者や高等学校等、大学の教職員の方に、「大学入試英語成績提供システム」の目的
や内容を理解していただくための関係情報が掲載されています。
 英語資格・検定試験の試験日程や各大学の活用状況、よくあるご質問への回答をまとめ
た質疑応答集などを確認することができます。
 
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/koudai/detail/1420229.htm
 
(2)大学入試センターホームページ内専用ページ「大学入試英語成績提供システム」 (9月2日開設)
 共通IDの発行申込方法や大学への成績提供の対象となる英語資格・検定試験に関する情
報、検索機能付きのよくあるご質問への回答集(FAQ)などを掲載しています。
 
https://www.dnc.ac.jp/eigo_seiseki_system/index.html
 
ご不明な点がございましたら、「志願者問合せ専用電話(大学入試センター)」にお問い合わせください。
  TEL:0570-024-550(ナビダイヤル)
  上記ナビダイヤルが繋がらない方:03-3465-8600
   9:30~17:00(土・日曜、祝日※、12月29日~1月3日を除く)
   ※ 提供される資格・検定試験の成績の確認期間は受け付けます。
 
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◇テストは語る~入試統計を読み解く~
 
多面的・総合的な評価に基づく高大接続
〔大学入試センター研究開発部 花井渉〕
 
 現在、多様な学習形態や探究学習の経験を経てきた生徒が高等教育段階へと進学する中
、大学側もこれまでの学力・知識に基づく選抜のみならず、個々の生徒がもつ資質・能力
を多面的・総合的に評価し、高大接続を行うことが求められています。しかし、このよう
な資質・能力の入学者選抜における多面的・総合的な評価は、確固たる方法が確立されて
おらず、各大学がその状況に応じて行なわれているのが現状です。そのため、多くの受験
生が集まる大学では、追跡調査等を通じたエビデンスの蓄積が可能である一方、中小規模
大学では、迅速な対応が難しいケースも多いといえます。
 また、多面的・総合的な評価に基づく入学者選抜を推進する際に議論となるのが「公平
性」の問題です。例えば、表現力を主観なく完全に客観的に評価することは非常に難しい
ことは容易に想像できるでしょう。また誰が採点するのか、どのような手続きで行なわれ
るのか、配慮を必要とする受験生への対応等、公平性と一言でいってもそこには大きな社
会変革をも求められるほどの課題が存在しています。これは日本だけではなく、海外でも
同じです。例えばイギリスでは、政府による高等教育進学機会均等政策により、「公平な
アドミッションの原則」が国家レベルで定義され、それに則って各大学では、中央アドミ
ッション・オフィスを設置し、入学要件(entry requirement)に基づいて入学者選抜を
行なっています。また、フランスでは、バカロレア試験の作問や採点の権限を高校の教員
に与えたり、社会的に不利な家庭の生徒のために一定の枠を設けたりすることで公平性を
確保しています。
 かつて、学力試験によって入学者を選抜する方式については、試験自体に対する社会か
らの信頼が高かった時代がありましたが、今日では、より多様な学生集団の受け入れが求
められています。そのため、一つの評価指標だけではなく、個々の生徒の資質・能力に合
った評価基準や選抜方法を開発していかなければならないといえます。
 さらに、今後少子高齢化に伴い、日本人のみならず、海外からの優秀な人材の獲得が求
められています。そこで、多様な学習歴や教育資格の取得を経て、日本の大学進学を目指
す受験生に対して、それを適切な基準に基づいて評価するための資格認証評価制度の整備
も必要となってきます。日本では、9月1日付で、大学改革支援・学位授与機構内に、高等
教育資格承認情報センター(NIC)が設置されました。これは主に日本の高等教育制度に
関する正確な情報を海外へ提供・発信することを目的として設置されています。一方で、
海外からの個別教育資格に関する情報提供は現在までのところは行なわれていません。今
後、海外の教育資格に関する情報提供や海外からの留学希望者に日本の高等教育入学資格
としての公的な認証(承認)を与えるための制度整備が必要であるといえます。
 このように、高校教育において育成が求められる資質・能力や学習形態の多様化、配慮
が必要な受験生への対応や海外からの優秀な人材の獲得等、多面的・総合的な評価を入学
者選抜で行なうためには、多くの課題が存在します。そのための選抜方法や基準の開発・
設定には、専門的な知識をもったアドミッション・オフィサーが必要となります。今後は
多面的・総合的な評価を担う専門的なアドミッション・オフィサーの養成及び専門性開発
が急がれています。さらに、複雑化する入学者選抜に対応していくためには、各大学間の
ネットワーク(連携関係)の構築や情報シェアリングの仕組みづくりが一つの鍵となると
いえます。
 学力を把握するためのテスト(入試)も引き続き重要ですが、テストが語らないものは
何か。一つの評価指標だけではなく、多様な学生集団のもつ資質・能力を引き出す多面的
・総合的な評価が求められています。
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◆関連リンク
 
(令和元年8月23日)
「大学入試英語成績提供システム」における実用英語技能検定の「英検CBT」準1級に
ついて
https://www.dnc.ac.jp/news/20190823-01.html
 
令和3年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト国語における記述式問題の段階表示
について
https://www.dnc.ac.jp/news/20190823-02.html
 
令和3年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト英語におけるイギリス英語の使用に
ついて
https://www.dnc.ac.jp/news/20190823-03.html
 
(令和元年8月30日)
令和3年度大学入学者選抜に係る「大学入試英語成績提供システム」における受験期間に
ついて
https://www.dnc.ac.jp/news/20190830-02.html
 
(令和元年9月5日)
大学入試英語成績提供システムFAQについて
https://www.dnc.ac.jp/news/20190905-01.html
 
(令和元年9月17日)
大学入試英語成績提供システムの運営に関する協定書の締結状況について(最終報)及び
協定書の概要について
https://www.dnc.ac.jp/news/20190917-01.html
 
(令和元年9月25日)
令和2年度大学入学者選抜大学入試センター試験説明協議会における大学入学共通テスト
に関するFAQ
https://www.dnc.ac.jp/hspersons/index_kyougikai_kyoututest.html
 
(令和元年9月30日)
令和2年度大学入試センター試験の出願受付が始まりました
https://www.dnc.ac.jp/news/20190930-03.html
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第13号(令和元年8月14日配信)
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◇◆ 大学入試センターメールマガジン 第13号 ◆◇
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【目次】
◇巻頭言
◆新テストニュース
◇テストは語る~入試統計を読み解く~
◆その他のお知らせ
◇関連リンク
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◇巻頭言
 
〔大学入試センター理事 義本博司〕
 7月には、全国7ブロックで、高等学校等の進路指導担当の先生方にご参加いただ
き、大学入試センター主催で説明協議会を開催しました。今年の説明協議会は、セン
ター試験としては最後となる令和2年度大学入試センター試験の説明に加えて、令和
3年度から始まる「大学入学共通テスト」や今年秋から共通ID発行申し込みが始まる
「大学入試英語成績提供システム」に関する説明も行いました。新たな制度に関する
説明会ということもあり、一部の会場で満席となるなど例年より多くのご参加をいた
だきました。ブロックごとの開催に当たりましては、会場の設営をはじめ、地元大学
関係者のご尽力をいただきましたことに、この場を借りて御礼申し上げます。
 
 7つのブロックの説明協議会を通じて、特に共通テストや英語成績提供システムに
関して多くのご質問をいただきました。大学入試センター内で改めて項目ごとに整理
した上で、8月中にQ&Aの形で当センターのホームページに掲載させていただく予定
です。高等学校等の進路指導担当の先生方にご覧いただければ幸いです。
更に英語成績提供システムに関する共通ID発行申し込みの手続きに関する説明会を都
道府県や政令市ごとに、地元の教育委員会や高等学校校長会のご協力をいただき、8
月以降開催しております。開催の状況を地元教育委員会等にお問い合わせの上、こち
らにもご参加いただければ幸いです。
 
 また、お盆明けから、大学入試担当者向けの連絡協議会を全国7ブロックで開催し
ます。引き続き、よろしくお願いします。
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◆新テストニュース
「大学入試英語成績提供システム」の共通ID発行申込み方法について
 
 令和3年度大学入学者選抜から、大学入試センターが設ける「大学入試英語成績提供シ
ステム」を利用した英語資格・検定試験成績の大学への提供を開始します。
 このシステムを利用する選抜を実施する大学への入学を志願する方は、大学入試センタ
ーが発行する「共通ID(※1)」が必要となりますので、以下の手順により申込みをし
てください。
 なお、共通ID発行申込みに当たり、料金はかかりません。
(※1)全資格・検定試験共通で個人を識別・管理するための10桁の識別番号
 
1)「共通ID発行申込案内」の入手
「共通ID発行申込案内」を、以下(1)~(3)のいずれかの方法により入手してください。
いずれも、令和元年9月2日(月)から配付を開始します。
 
 (1) 大学入試センターホームページから、ダウンロードする(無料)。
 (2) 大学入試センター試験利用大学にて入手する(無料で配付)。
 (3) 全国学校案内資料管理事務センターの「共通ID発行申込案内」発送サービスを利
   用して、郵送で受け取る(送料は自己負担)。
  (https://telemail.jp/shingaku/dnc/2/)
 
2)共通ID発行申込み
「共通ID発行申込案内」に掲載されている「共通ID発行申込書」により、申し込みを
行ってください。令和元年度の高校2年生は学校経由での申込み、それ以外の方は個人に
よる直接申込みとなります。
 
 集中発行申込期間:令和元年11月1日(金)~令和元年11月14日(木)(消印有効)
 追加発行申込期間:令和2年1月27日(月)~令和2年9月10日(木)(消印有効)
 
 ただし、令和元年度の高校3年生は、学校が希望する場合は学校経由での申込み(※2)
 が可能です。
(※2)申込期間:令和元年12月2日(月)~令和元年12月10日(火)(消印有効)
 
 申込後の手続方法(資格・検定試験の受験方法、大学への成績提供等)につきましては、
「共通ID発行申込案内」をご確認ください。
 
 ご不明な点につきましては、「志願者問合せ専用電話(大学入試センター)」にお問い
合わせください。
 TEL:0570-024-550(ナビダイヤル)
  上記ナビダイヤルが繋がらない方:03-3465-8600
  9:30~17:00(土・日曜、祝日※、12月29日~1月3日を除く)
  ※ 提供される資格・検定試験の成績の確認期間は受け付けます。
 
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◇テストは語る~入試統計を読み解く~
誤答選択枝のつくり方
〔大学入試センター研究開発部 寺尾尚大〕
 
 大学入試センター試験や大学入学共通テストの試験問題として、多枝選択式問題がよ
く用いられます。多枝選択式問題は、問い・正解の選択枝(正答選択枝)・誤りの選択
枝(誤答選択枝)からなり、受験生は用意された選択枝の中から正しいと思うものを選
ぶことになります。
 多枝選択式問題をつくるとき、とくに誤答選択枝をつくるのはたいへん難しく、時間が
かかると言われています。ここでは、海外で行われている試験での選択枝のつくり方に
ヒントを得て、どうして誤答選択枝の作成が難しく時間がかかるのかを考えてみたいと
思います。
 正答選択枝には、その内容に誤りがないことが求められます。正答選択枝の作成にあ
たっては、教科書の記載内容を参照する、学術的な観点からの検討を丁寧に行うなど、
専門家による検討のプロセスが重要になります。
 これに対し、誤答選択枝の作成には、専門家の観点に加えて、受験生が正誤の判断に
迷うかどうかという観点も必要になります。たとえば、問題作成者が用意した誤答選択
枝が、受験生にとってはすぐに誤りと見破れるものになっていて、ほとんど選ばれてい
ないような場合もあります。ある程度選ばれるようにするためには、受験生がたどる思
考プロセスについて理解を深めた上で、受験生にありがちな誤りを誤答選択枝に含める
必要が出てきます。
 受験生にありがちな誤りについて情報を得るにはどうしたらよいでしょうか。素朴に
は、受験生に尋ねてみるという方法があります。試験問題に解答してもらいながら考え
ていることを発話してもらったり、解答終了後にインタビューしたりすれば、受験生の
解き方についてヒントが得られるかもしれません。コンピュータやタブレット等の情報
端末で試験問題を解いてもらうことが可能ならば、解答のログデータを分析してみると
いう方法も考えられます。受験生の問題解決プロセスについて記録したログから思考の
経路をたどるために、受験生が解答するときに残したログをネットワークで表現し、思
考の流れを捉えた研究もあります。さらに、受験生の視線の動かし方を記録し、得点の
高い人と低い人で比べた研究もあります。こうした情報は、受験生の思考プロセスのエ
ラーの一端を理解する上で重要です。ただし、このような情報が揃った状況で誤答選択
枝をつくることができるとは限りませんので、問題作成者の経験や知恵を借りることに
なります。この作業は、問題作成者にとっても大変骨の折れる作業であり、十分な時間
を必要とします。
 誤答選択枝が受験生にどう選ばれていたかを理解することも重要です。成績が振るわ
なかった受験生もすぐに誤りと見破れるような誤答選択枝や、成績の良かった受験生で
も選んでしまう誤答選択枝があった場合には、その原因を探ってみることも有効です。
 以上のように、誤答選択枝をつくるときには、受験生にありがちな誤りを入れる等の
満たさなければならない条件がたくさんあります。こうした理由から、誤答選択枝をつ
くることは非常に難しく、時間のかかる作業になります。上で述べたように、受験生か
ら得られるデータを有効活用する方法は、誤答選択枝をつくる上で参考になるかもしれ
ません。
 
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◆その他のお知らせ
 大学入試センター・シンポジウム2019開催について
 
 近年、大学入学者選抜において多面的・総合的評価をどのように行うかが大きな課題と
なっており、各大学でさまざまに工夫がなされています。そうした中で本シンポジウムで
は、広い意味で「育成型」と呼ばれる入試形態に焦点を当て、聖学院大学、追手門学院大
学、島根大学の事例をもとに今後の高大接続のあるべき姿をさらに追究できればと願って
います。
 
【テーマ】
 高大接続における特別選抜の意義と課題 ―広義の育成型入試に焦点を当てて―
 
【開催日時】
 令和元年9月19日(木)13:00~17:00
 
【開催場所】
 一橋大学一橋講堂
 東京都千代田区一ツ橋2丁目1-2学術総合センター2階
 
 ※2019年度の申込受付フォームについては、下記のとおりです。
 https://wuke.jp/form/entries/add/33
 
 ※2019年度のプログラム等の概要については下記ページのとおりとなります。
 詳細につきましては確定次第、後日、ページを更新いたします。
 https://www.dnc.ac.jp/research/nyugakusha_chyosasitsu/symposium.html
 
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◇関連リンク
荒井清佳准教授(研究開発部)が「2019年度日本分類学会 論文賞」を受賞しました。
(令和元年7月1日)
https://www.dnc.ac.jp/news/20190701-02.html
 
「大学入試英語成績提供システム」における資格・検定試験に関する報告
(令和元年7月2日)
https://www.dnc.ac.jp/news/20190702-01.html
 
令和2年度大学入試センター試験「受験案内」「受験上の配慮案内」を掲載しました
(令和元年7月5日)
https://www.dnc.ac.jp/center/shiken_jouhou/r2.htm
 
「大学入試英語成績提供システム」への参加申込状況について
(令和元年7月5日)
https://www.dnc.ac.jp/news/20190705-03.html
 
令和2年度大学入学者選抜大学入試センター試験説明協議会を開始しました
(令和元年7月11日)
https://www.dnc.ac.jp/news/20190711-01.html
 
大学入試センター・アドミッションリーダー研修を開催しました。
(令和元年7月24日)
https://www.dnc.ac.jp/news/20190724-01.html
 
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第12号(令和元年6月13日配信)
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◇◆ 大学入試センターメールマガジン 第12号 ◆◇
 
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【目次】
◇巻頭言
◆新テストニュース
◇テストは語る~入試統計を読み解く~
◆試験問題企画官リレートーク
◇関連リンク
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◇巻頭言
〔大学入試センター理事 義本博司〕
 
 5月23日から25日までの3日間、関西学院大学(兵庫県西宮市)を会場に、
センターと同大学との共催で「第14回全国大学入学者選抜研究連絡協議会」を
開催しました。「入試広報」、「高校の探究活動と高大接続」、「大学入試で
の主体性評価」をテーマにした全体会、8つのセッションに分かれての研究会
及び招待研究会で意欲的な研究発表や熱心な研究協議、意見交換が行われました。
全国から700名を超える大学関係者、高校関係者に参加いただきました。
 ご登壇、ご発表、ご来場いただいた方々、企画や準備に当たっていただいた
企画委員会、関西学院大学の皆様、本当にありがとうございました。入研協大
会の模様は、大学入試センターのホームページに掲載されておりますので、
ご覧ください。
 
 令和3年1月に実施予定の大学入学共通テストの出題教科・科目、出題方法等
の内容について、文部科学省及び大学入試センターから発表を行いました。即ち、
文部科学省から「大学入学共通テスト実施大綱」が出され、それを受ける形で、
大学入試センターから「大学入学共通テストの出題教科・科目の出題方法等及び
大学入学共通テスト問題作成方針」を関係機関に向けて通知しました。また、
「英語成績提供システム」については、5月末に大学向けに、現時点でお示し
できる利用方法等に関する通知を発出するとともに、受験生や高校向けに「英語
成績提供システム」に係る共通ID申し込み案内を今年夏までに公表する予定です。
 
 大学入試センターでは、こうした「大学入学共通テスト」及び「英語成績提供
システム」について、7月に行う高校関係者向けの説明協議会(全国7ブロック
で実施)、8月に行う大学の入試担当者向けの入試担当者連絡協議会(全国7
ブロックで実施)で説明していく予定です。
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◆新テストニュース
 
大学入学共通テストの出題教科・科目の通知について
 
 当センターでは、これまで、現在の大学入試センター試験に代わり令和3年
1月から実施予定の大学入学共通テストの円滑な実施に向けての検討を重ねて
まいりました。この検討の一環として、本年4月には、昨年11月に実施した
試行調査の実施結果を公表したところです。
 これらの実施結果などを基に、当センターでは、現在、大学入学共通テストの
実施に向けた本格的な準備を進めているところであり、本年6月には、文部科学省
の「大学入学共通テスト実施大綱」を受け、「大学入学共通テストの出題教科・
科目の出題方法等及び大学入学共通テスト問題作成方針」を、当センターから
各関係機関に対し通知したところです。
 この通知は、これまでの大学入試センター試験でも発出してきた「出題教科・
科目の出題方法等」と、今回から新たに策定した「問題作成方針」から構成されて
おります。「出題教科・科目の出題方法等」では、記述式問題の導入等に伴い、
現行センター試験から一部の教科・科目の試験時間、配点などが変更になって
おります。「問題作成方針」では、大学入学共通テストの問題作成の基本的な
考え方や各出題教科・科目ごとの問題作成方針などを策定しております。詳しくは
通知の本文でご確認ください。
 今後、当センターでは、大学入学共通テストの実施方法等に関し、更に具体の
検討を進め、来年度初頭には関係機関に対し、出願期間や試験時間割など具体的な
実施方法を定めた「大学入学共通テストの実施要項」を発出する予定としております。
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◇テストは語る~入試統計を読み解く~
 
試験の構成と構造
〔大学入試センター研究開発部 伊藤圭〕
 
 大学入試の多くは入学希望者の学力という特性を測る試験を行います。実際の
試験問題を作成するためには,学力という抽象的な概念を実際に評価できる具体的な
特性で表していく必要があります。この具体化はいくつかの観点に沿って複数の段階
や内容に分けて考えることができます。
 大学入試センター試験は高校の主要な教科科目ごとの学力試験で構成されています。
個々の科目試験を見ると,例えば物理の試験は,様々な運動,エネルギー,波,電気と
磁気,原子などの学習分野や,基本的な知識・理解や思考力といった能力に分けて見る
ことができますし,英語の試験では,発音,語・文法・表現,読解などの言語力や,
情報処理,論理・構成の把握,内容の理解といった能力に分けて見ることができます。
 それぞれの要素としての特性はさらに複数の具体的な事物で表されます。例えば,
物理の様々な運動という分野では,等加速度運動の式を理解しているか,単振動の
周期を理解しているかといったこと,英語の語・文法では「get」の使役用法を理解
しているか,副詞句「at first」の用法を知っているかといったことです。ここまで
具体化することで実際の試験問題を作成することができます。
 これらの試験の要素(特性)を段階的に整理して表したものを試験の構成と呼びます。
目的に応じて測定したい能力を正確に測れるように試験を設計するためには,専門的な
立場から慎重に構成を定めることが必要です。逆に受検者の得点データを統計的に分析
して試験の構成を客観的に調べ,試験が正しく意図した能力を測定できたかどうかを
評価することも必要です。
 特に試験の構成要素どうしの関係の把握が重要で,主に相関係数という統計指標を
用いて調べます。相関係数は二つの特性の関連性を「-1~1」の数値で表すもので,
絶対値が1に近いほど関連が強く,0に近いほど関連が弱いことになります。例えば,
教科科目試験の得点の相関係数を調べることにより,各科目が全体として総合的な
学力を測ると同時に,文系と理数系,基礎と応用などの個別の能力を測っている
ことが見えてきたり,それらの関連性の程度を把握したりすることができます。
また,学習分野間の関連性の程度を把握することにより,出題分野の選定や適切な
分量などを検討することができます。大学入試の多様化の一環として提案された,
教科科目試験とは異なる観点から能力,資質,適性をみる総合試験などは,
情報整理,意味把握,論理的思考,表現などの特性を測っていることが見えて
きたり,教科科目試験との関連性の程度を把握したりすることで,信頼性の高い
選抜資料となります。
 このように,試験の構成する要素間の関連性とその程度を調べ,試験が測定する
特性をより立体的な構造として捉えることで,より精緻に試験を作成することが
可能になります。設計時に主観的に定めた構成・構造と実施後の統計分析によって
抽出した構成・構造を比較検討する作業により,試験の質を維持することが
できます。また試験の構造(要素の関連性)を実施回ごとにモニタリングする
ことにより,経年的な安定性や試験の構造の変化の有無,内容等を確認することも
できます。2021年1月からは新しい大学入学共通テストが実施されますが,これまで
の大学入試センター試験との共通点や差異を確認していくことも必要でしょう。
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◆試験問題企画官リレートーク
 
人工知能(AI)時代を生きる
〔大学入試センター 新テスト実施企画部  試験問題企画官(倫理 担当)〕
 
 先日、高校の教員をしていた時の卒業生の一人と会う機会がありました。彼女は、
この春、大学を卒業し、音楽の教員として働き始めました。彼女の話の中で、印象的
だったのが「AIがつくった音楽に感動するとはどういうことだと思いますか?」という
問いです。AIは人がつくったものですが、そのAIがつくった音楽に人が感動する時、
それは人がつくった音楽に感動することと同じでしょうか、と。
 彼女の高校時代の倫理の授業で、人間の心の働きなどについて対話したり考えたり
したことを懐かしく思い出しました。そして、彼女の話から、ゴーギャンの『我々は
どこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』という絵を思い浮かべました。
AI時代を生きる私たちは、人間の生についての根源的な問いをあらためて突きつけ
られているようにも感じます。
 先の問いに対する現時点での彼女の考えも興味深いものでしたが、高校時代に身に
つけた姿勢や力をさらに成長させている彼女が、音楽の教員として考え続けていくと
いうことに頼もしさを感じました。いつかまた彼女と話す日が楽しみです。
 大学入試センターでは、大学入学共通テストの実施に向けて準備を進めています。
こちらでは直接子どもたちと触れあう機会はありませんが、これからを生きる子ども
たちに深く関わる仕事であることを常に意識し職責を果たしていきたいと思います。
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◇関連リンク
 
「大学入試英語成績提供システム」の共通ID発行取りまとめ業務等について
(平成31年4月24日)
https://www.dnc.ac.jp/news/20190424-01.html
 
令和3年度(2021年度)から新たに大学入試英語成績提供システムへの参加を
希望する資格・検定試験の申込受付について
(令和元年5月28日)
https://www.dnc.ac.jp/news/20190528-02.html
 
「大学入試英語成績提供システム」の利用について(大学向け)
(令和元年5月30日)
https://www.dnc.ac.jp/news/20190530-02.html
 
令和元年度全国大学入学者選抜研究連絡協議会大会(第14回)を開催しました
(令和元年6月7日)
https://www.dnc.ac.jp/news/20190607-01.html
 
令和3年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト出題教科・科目の出題方法等
及び大学入学共通テスト問題作成方針について
(令和元年6月7日)
https://www.dnc.ac.jp/news/20190607-03.html
 
「令和2年度大学入学者選抜大学入試センター試験実施要項」を掲載しました
(令和元年6月7日)
https://www.dnc.ac.jp/center/shiken_jouhou/r2.html
 
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第11号(平成31年4月10日配信)
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◇◆ 大学入試センターメールマガジン 第11号 ◆◇
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【目次】
◇巻頭言
◆新テストニュース
◇テストは語る~入試統計を読み解く~
◆試験問題企画官リレートーク
◇関連リンク
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◇巻頭言
〔大学入試センター理事 義本博司〕
 
 新年度の始まる4月は、新たな出会いや生命の息吹が広がる季節です。
大学入試センターを囲む駒場野公園では、毎年淡い色のソメイヨシノから
八重桜の関山など様々な種類の桜の花が目を楽しませてくれます。
 
 新たな元号も「令和」と決まりました。万葉集を出典として「国民が美しい心を
寄せ合い文化が生まれ育つことを願う」思いが込められていると聞きます。元号に
込められた思いが叶う新しい時代が始まることが期待されます。
 
 4月4日付で、昨年11月に実施しました大学入学共通テスト導入に向けた試行調査
の結果を公表しました。前回の試行調査から2回目となる本調査は、共通テストで
実施予定である教科科目の記述式・マーク式の問題の分析・検証に加え、実施運営面
を含めた総合的な検証を行うため、全国の大学等を会場として実施しました。詳細に
ついては大学入試センターのホームページをご覧ください。
 
 今後、試行調査の結果を踏まえ、2019年度(令和元年)初頭に、文部科学省が
策定する実施大綱とともに、大学入試センターにおいて、「大学入学共通テストに
おける問題作成方針及び実施方法等」に関する通知を発出する予定です。また、
2019年度においては、試行調査は行いませんが、2020年度の実施に向けた
準備期間と位置づけ、大学や高校関係者のご協力を得ながら、採点等の準備事業、
成績提供のシステムチェック、周知等を行う予定です。引き続き、ご理解とご協力を
お願いします。
 
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◆新テストニュース
 
第2回試行調査の分析結果について
 
 大学入試センターでは、「大学入学共通テスト」の問題作成や実施に向けた
検証を行っています。2017年度に、全国の高校・中等教育学校にご協力をいただいて
第1回試行調査を実施し、2018年6月には「『大学入学共通テスト』における問題作成
の方向性等と本年11月に実施する試行調査(プレテスト)の趣旨について」を公表
した上で、2018年11月に、全国の大学を会場として第2回試行調査を実施しました。
 
【試行調査の概要】
 国語(古文・漢文を除く)と数学Ⅰにおいて、それぞれ小問3問の記述式問題を
導入するとともに、知識の理解の質を問う問題や、思考力、判断力、表現力を発揮
して解くことが求められる問題を重視した出題の工夫・改善を行うことを目的に
実施しました。
 
(1)実施教科・科目等
  国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語(英語)
(2) 受検者数
  68,409人(実人数)
 
 2018年11月に行った試行調査の実施過程や実施結果については、各科目の問題構成、
設問数、内容等の在り方や、記述式問題の正答の条件と成績表示の在り方、採点及び
検収の体制及びスケジュール、マーク式を含めた成績表示の在り方等の観点から
分析・検討を行い、センターのWebサイトで公表しています。
 分析・検討結果の詳細については以下のURLをクリックしてください。
https://www.dnc.ac.jp/daigakunyugakukibousyagakuryokuhyoka_test/pre-test_h30.html
 
 今回の試行調査の分析・検証を踏まえ、今年度初頭に、各教科・科目における
問題のねらいや実施方法等(「大学入試センター試験出題教科・科目の出題方法等」
に相当するもの)について正式に公表する予定です。
 
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◇テストは語る~入試統計を読み解く~
信頼性係数とは
〔大学入試センター研究開発部 荘島宏二郎〕
 
 テストは、学力を測るための測定道具です。測定道具とは、ある対象に対して、
数値を与える役割をもっています。その意味では、テストは、身長計や体重計と
同じ仲間です。身長計は、cmという単位の下で、体の長さに対して数値を与えます。
体重計は、kgという単位の下で、体の重さに対して数値を与えます。テストは、
(わが国では、多くの場合、100点満点の尺度で)学力の高さに対して数値を
与えます。
 しかし、テストは、身長計や体重計ほど精度が高い測定道具ではありません。
身長計は、背の高い人から低い人までほとんど間違うことなく並び替えることが
できます。また、微小に異なる身長をもつ2人に別の数値を付与することができます。
しかし、テストは、学力の高い人から低い人まで間違うことなく並び替えることは
難しいです。また、わずかに異なる学力をもつ2人を見分けて、2人に異なる点が
与えられるとは限りません。みなさんも経験がある通り、明らかに学年で一番
できる子がいつもテストで学年一位を取るとは限らないし、異なる学力をもつと
目される2人が似た点をとることがあるし、同じ学力くらいの2人が、まったく
異なる点をとってしまうこともあります。
 テストの結果は、たくさん準備したとしても意図していない出題に翻弄されたり、
あるいは、試験直前にペラペラめくった教科書の内容が幸運にも出題されることも
あります。テスト不安が強くて、通常の力が出ないこともあります。いろいろな
要因によって左右されるのです。それだけではありません。その日の体調や気分、
隣の人の咳や鼻血などにも影響されます。つまり、テストの結果は、純粋に学力
のみが反映されたものと考えることは難しいです。そういったことが複数重なり、
同程度の学力の人が同程度の点数を取るとは限らないのです。
 しかし、同じ身長の人は、身長計で同じ数値として報告されます(同一個人の
身長でも、朝起きたときのほうが身長が高かったり、猫背の人のほうが身長が
低かったりはありますが)。同じ体重の人は、体重計で同じ数値として報告
されます。そう考えると、テストで測定した結果は、身長計や体重計ほどには
信頼できないことがわかると思います。
 それでも、テストがどのくらいの信頼性があるのかを調べることができます。
テストの信頼性とは、同じ学力の人には同じ点を与え、異なる学力の人には異なる
点数を付与することがどの程度できるのかという、テストの性能を評価することの
できる数値的指標です。具体的には、信頼性係数というものを計算します。
 信頼性係数はいくつかありますが、よく用いるのは「クロンバックのアルファ係数」
や「マクドナルドのオメガ係数」です。センター試験の信頼性分析には、計算が簡単
であるということもあり、よくクロンバックのアルファ係数を用いています。
アルファ係数は最大で1.0をとり、そのとき、もっとも信頼性が高い状態です。
一般に、0.8を超えると高いと言われます。その中でも、たとえば、センター試験の
英語(筆記)は、年度によっては0.9を超え、非常に高い信頼性をもっています。
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◆試験問題企画官リレートーク
立場の違い
 
〔大学入試センター 新テスト実施企画部
 試験問題企画官(地理 担当)〕
 
 大学入試センターに赴任して一年が過ぎました。世の中では、真新しい制服や
スーツ姿の若者の姿を目にすることが多い季節となりました。
 私は学生時代に、バックパッカーでインドを旅行しました。当時の日本とインド
との経済格差は大きく、私は日本人というだけで多くのインドの子どもたちから
お金や食べ物を求められました。
 ある町で20人くらいのインドの子どもたちに囲まれていたところ、一人だけ左手の
手首から先がない女の子からお金を求められました。病気にでも罹ったのか、かわいそう
だなと思い日本円で10円ほどのお金をわたしました。
 数日後、電車に乗っていると向かいの席に座っていたインド人から話しかけられ、
会話の中でこの女の子の話をしました。すると、そのインド人は「なぜお金をあげた
のだ!」と私に怒鳴りました。私はなぜ怒られなければならないか分からず驚きました。
するとそのインド人は「その女の子の手首は母親が切ったのだ。そして、日本人から
お金をもらえると分かると、他の母親も自分の子どもの手を切ってしまうのだ」と
話しました。私にはインドの人々が置かれている状況が全く分かっていなかったのです。
 この話を現在の仕事に置き換えると、試験問題企画官は大学入試の問題を作成する側と
解答する側双方の立場に立ち、取り組まなくてはいけないということかと思います。
問題は公平公正であり、受験生にとっても納得のいくものがのぞまれます。大学入学
共通テストの実施も次年度に迫り、春の訪れとともに、気持ちを引き締めていきたい
と考えています。
 
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◇関連リンク
 
大学入学共通テストの導入に向けた平成30年度(2018年度)試行調査(プレテスト)
の結果報告及び地理歴史A科目の参考問題例について(平成31年4月4日)
https://www.dnc.ac.jp/news/20190404-01.htmll
 
「大学入学共通テスト実施方針(追加分)」における離島・へき地の
対象地域について(平成31年4月5日)
https://www.dnc.ac.jp/daigakunyugakukibousyagakuryokuhyoka_test/en_add.html
 
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