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大学入試研究の取組(令和6年3月時点)

新たなテスト技術に関する研究
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CBT英語リスニング問題における動画・音声の提示方法が困難度・識別力・回答時間に及ぼす影響について研究成果をまとめました。
また、英語リスニング問題において、動画が能力測定にとってメリットになる状況とデメリットになる状況を教育測定論の観点から明らかにし、問題作成方針の策定に資する確かな知見を蓄積し、「CBTにおける試験問題の作成方法・出題・採点に関する研究」を進めました。

「適応型テスト(CAT)における出題に関する研究」については、測定精度を制御しつつ暴露数を減少させることを目的として2段階等質適応型テストを提案し、その有効性をシミュレーション実験と実データを用いた実験により検証しました。
「高度テスト配慮が実現したCAT型CBTシステム」と「受験者の必要配慮検査システム」の開発、「ワンストップテスト配慮体制」の提示を行うとともに、シンポジウム「これからのCBT活用と障害のある児童生徒へのテスト配慮」を令和5年2月28日にオンラインで開催し、「障害受験者配慮に関する新技術の応用」に関する研究を進めました。

現状の方法を維持しつつも、得点調整の発動条件、並びにスタナイン区分点(分位点)の最大が20点以上の場合に15点に縮めるように方式を改めました。令和7年度施行に向け、システム改修を行っています。「得点調整方法の改善に関する研究」は一定の成果が得られ、研究の目的が達成されたため調査研究としては終了しました。


試験問題の作成支援に関する研究
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共通テストに移行する直前の5年程度(平成28年度~令和2年度)に作成された問題を中心に共通テストの作題の参考になり得るセンター試験問題の特徴整理を行いました。試験問題抽出から、設問の統計情報、問題評価委員会による記載情報付加、および資料のまとめまでの一連のやり方を示しました。一定の成果が得られ、研究の目的が達成されたため、「良質の試験問題の作成に関する基礎研究」は終了しました。

また、試験問題の解答プロセスや解答パターン等の検討に基づく妥当性研究に向けて、予備的検討を実施しています。これまでに解答プロセスを収集する調査等を行いました。
さらに、「大学入学後の学習状況との関連に基づく共通試験の妥当性検討」の研究を行うため、追跡調査の先行研究について、『大学入試研究ジャーナル』を中心に調査、整理し、方法的課題について検討しました。この成果をもとに、次の研究につなげていく予定です。


個別大学の入試改革支援に関する研究
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知識・技能、思考力・判断力・表現力等を適切に評価するために各大学が行っている工夫や課題を把握する目的で、令和3年度に実態調査を行いました。令和4年度には、共通テストの利用実態や各大学が実施する評価方法に関する課題について、実態調査の分析結果を入研協大会で発表し、学術論文にまとめました。大学入試センター・シンポジウム(令和4年11月5日開催)においても共通テストの利用実態に関する分析結果を報告しました。

また、総合型選抜や学校推薦型選抜で利用される「基礎学力把握のための簡易な検査」に関する情報を各大学の公式Webサイトから収集して特徴分類を行い、学術論文にまとめ、「大学で学ぶための基礎的学力の新たな評価測度の開発に関する研究」を進めました。

令和5年度には、個別大学の入試における知識・技能、思考力・判断力・表現力等の評価に関する課題を、問題の作成・点検の負担、共通テストの日程的な制約、共通テストの難易度、という3つの観点から整理して、それらに対応する支援案に関する需要調査を実施しました。需要調査の分析を進めています。


高校・大学教育に及ぼす入試改革の影響に関する研究
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高校での探究学習の事例に関して、放送大学の生涯学習支援番組で紹介・解説を行いました(令和2年5月から令和4年3月まで放送)。また、一般選抜における多面的・総合的評価の実態に関して、令和3年度に調査を実施しました。分析した結果、国公立大学では「調査書」の利用が顕著に見られる一方で、私立大学では評価基準の設定や公平な評価の困難さから一般選抜において多面的・総合的評価はあまり利用されていないことが明らかになりました。「教育制度の一環としての大学入試制度・高大接続システムの研究」における本実態調査の結果を踏まえ、調査書を活用した入試方法の開発や事例研究、評価方法に関する入試担当者を対象とした研修等に反映させていきたいと考えています。

海外における大規模大学入学共通試験の実施機関が持っている公平性に関するガイドラインやポリシーを、特に、米国、イギリスを中心に収集し、分析しました。令和4年度の大学入学共通テストで発生したカンニング等の不正行為の対応として、米国ETSの状況と併せて、アジア各国の状況について調査も行いました。中国の高孝の実施を担う中国教育部や、韓国の修能試験を実施するKICE(韓国教育課程評価院)などの政策文書・規則・法律などの翻訳も行い、「選抜の多様化・公平・公正に関する多角的研究」を進めました。