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入研協ニュースNo.9

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巻頭言

平成25年度全国大学入学者選抜研究連絡協議会大会(第8回)を共催して

首都大学東京理事
上野 淳
 

平成25年6月6日、7日の2日間、第8回全国大学入学者選抜研究連絡協議会大会が東京の 国立オリンピック記念青少年総合センターで開催されました。当日は大学関係のみならず、高等学校、塾・予備校等の関係者の皆様に全国各地より多数のご来場 をいただき、共催大学として深く感謝を申し上げます。また、大学入試センターをはじめ、本大会の企画に携わってこられた皆様方には、様々なご尽力をいただ きまして心より御礼申し上げます。
今回の大会では、企画討論会において「入試における評価尺度の多元化を考える」をテーマに、入学者の選考においてユニークな評価方法を取り入れている筑波 大学、国際教養大学及び立命館大学の取組についてご報告をいただき、学力以外の能力を図る尺度・評価方法についての討論が行われました。

また、共催大学である首都大学東京が担当させていただきました公開討論会については、「受 験対策学習ばかりを助長しない入試改革や教育改革について」というテーマで実施をさせていただきました。テーマを設定した背景には、過度の合格至上主義に よる受験技術トレーニングへの依存が高まることにより、主体的に学ぶことをせず、大学教育に対応できない学生が増加してきている中で、その解決のためには 一般入試の改善のみでは困難であり、適切な推薦入試・AO入試をさらに進めることができれば、状況を改善できるのではないかという仮説がありました。

そんな中、京都大学から特色入試導入の方向性が発表されたため、同大学理事の淡路敏之氏の 講演を基調講演的に位置づけ、他のパネリストとしては、特別入試では先行している私大から中央大学商学部長の河合久氏、高校の立場から全国高等学校長協会 大学入試対策委員長(東京都立桜修館中等教育学校長)の小林洋司氏、高大接続に関する教育産業からBenesse教育研究開発センター(現ベネッセ教育総 合研究所)主席研究員の山下仁司氏に講演をお願いし、司会を本学教授の松浦克美が務めさせていただきました。

淡路理事からは、京都大学の教育方針に適合した学生を得たいが、一般入試だけでは難しい状 況になっており、志を重視した入試を行いたいということ、また、高等学校の学修における行動や成果を丁寧に評価したいということから、そのような特色入試 を平成28年度より導入する予定であるとのご説明をいただきました。河合先生からは、様々な入試をこれまで実施してきた中で、高校と大学の緊密な連携に基 づく特別入試は成果を上げてきており、今後の大学入試には、単なる入学手段ではない高大接続教育システムの確立が必要であると、ご指摘をいただきました。 小林先生からは、高校長へのアンケート結果などが示され、国公立大、私立大のそれぞれの推薦・AO入試の具体的な定員枠と、それらの入試に学力試験を課す べきか否かという点や、大学入学資格試験の導入などについてご説明いただきました。また、推薦・AO・一般入試といった異なるタイプの入試を行い、多様な 高校生の選抜の機会を確保して欲しいという高校側のご意見もいただきました。山下氏からは、大学での主体的な学びにつながる入試が必要であるという前提の もと、推薦・AO入試で入学した学生の方がジェネリックスキルが高い傾向があるという調査結果及び、就職内定状況においても、一般入試での入学生より推 薦・AO入試での入学生の方が内定率が高い傾向が、国公立大学・上位私立大学ではあるという調査結果を提示いただき、多様な入試をさらに新しく工夫して実 施することにより、大学生の主体的な学びに繋げることができるとご指摘いただきました。

その後、会場よりいただいた質問について、各パネリストの方々よりご意見をいただき、議論 を進める中で、大学において主体的な学生、意欲的な学生を増やすためには、一般入試だけでなく推薦入試やAO入試などの多様な入試の導入や改善が必要であ るという考え方が、大学関係者の間ではある程度進んだものと認識しております。一方で、高等学校関係者の方の中からは異なるご意見もいただくなど、今後も 大学側と高校側の対話や議論をさらに進めていくことが必要です。しかし、今回の討論会の中で、新たに京都大学などから推薦入試・AO入試の必要性が述べら れたことは、今後の入試改革の方向性の一つについて、重要なメッセージを伝える機会になったものと考えております。

最後に、大学入試センターセミナーを含め、企画討論会、公開討論会、研究会と3日間の日程を無事に終えることができたのも、関係された皆様方のご尽力の賜物であり、ここに改めて感謝申し上げる次第です。

主催者挨拶

独立行政法人大学入試センター理事長
山本廣基

平成25年度の全国大学入学者選抜研究連絡協議会の大会の開催に当たりまして、一言ご挨拶申し上げます。

ご承知のように、この大会は、国立大学における入学者選抜に関する研究の交流と協力を推進し、入学者選抜方法の改善に寄与することを目的に、昭和55年から年に一回の大会が開催されてまいりました。平成18年からは、大学の入学者の選抜方法の改善に関する調査及び研究に関しまして、研究交流の一層の推進に資するために、国公私立大学の研究者並びに入試事務担当者を対象として開催しているところでございます。

今年は、首都大学東京様との共催によりまして、第8回を開催する運びになりました。本大会におきましては、「入試における評価尺度の多元化を考える」をテーマとしました企画討論会及び「受験対策学習ばかりを助長しない入試改革や教育改革について」をテーマとした公開討論会は、広く一般に公開することとしているところでございます。学力以外の能力をはかる尺度あるいは評価方法、また今後の大学入試改革の方向性について考える機会にしていただけたらというふうに思ってございます。

中央教育審議会あるいは政府の教育再生実行会議等々、いろいろな場で、この間、大学入試改革が取り上げられているところでございますが、大学入学者選抜につきましては、高等学校と大学をつなぐ大変重要な役割も担っており、またその改善や、あるいはその動向は、社会的にも大変関心が高い昨今、こうした研究交流はまことに重要な役割を担っているものと考えております。

今回の企画討論会や公開討論会を通じて、研究者や入試事務担当者がより一層の交流を推進することによりまして、大学の入学者選抜の方法が改善されていくことを期待するものでございます。

最後になりましたが、本大会におきましてご講演いただく方々、そして今回、特にこの大会の開催に多大なご尽力いただきました首都大学東京の皆様に重ねて感謝申し上げまして、冒頭の挨拶とさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。

共催校挨拶

首都大学東京理事
上野 淳

おはようございます。

本大会を共催させていただいております、首都大学東京の理事を務めております上野でございます。

冒頭に、一言だけご挨拶申し上げます。

今回で本大会は8回目だと伺っておりますが、全国からかくもたくさんの方においでいただきまして、ありがとうございます。心より御礼申し上げます。

本日午前の企画討論会及び午後の公開討論会では、大学入試改革、特に大学アドミッションにおける評価の理念や方法、あるいは考え方など、それぞれについて様々な意味で多角的な議論をいただくことになっておりまして、大学入試というものを一体的に考える大変良い機会をつくっていただいたと思っております。

私自身も本日の議論に大変期待しておりますところでございますが、皆様におかれましても、本大会の企画が実り多いものになることを念じております。

最後に、本大会は、主催されました大学入試センターをはじめ、さまざまな方のご尽力によって成立しております。共催大学といたしましても、そのことについて心より感謝申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。

本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

来賓挨拶

文部科学省高等教育局大学振興課長
池田貴城

全国大学入学者選抜研究連絡協議会、第8回を迎えるこの大会にお招きいただきまして、ありがとうございます。
また、大学入試センター及び全国の国公私立大学の連携協力によりまして、この大会がこのように盛大に行われますことを心よりお喜び申し上げます。

ご承知のとおり、大学入学者選抜は、大学教育、そして高等学校以下の教育に多大な影響を与えるものであり、国民の関心が非常に高いテーマでございます。教育再生を掲げる安倍内閣のもとでも、入試改革、高大接続は大きなテーマの一つになっております。今朝の日経新聞に記事が出ておりまして、驚いた方も多かったと思いますが、センター試験廃止へという見出しでございます。「文部科学省は、5年後をめどに、大学入試センター試験を廃止し、高校在学中に複数回受けられる全国統一の到達度テストを創設して、大学入試に活用する検討を始めた」という趣旨の記事が出ておりますが、このような事実はございませんので、ちょうど今日、入試関係の方々がお集まりになっておりますので、ここではっきり申し上げておきたいと思います。

それとともに、今、政府全体で、いろいろな高大接続、入試をめぐる議論がございますので、ご挨拶の中で恐縮ですが、ごく簡単にご紹介させていただきたいと思います。

ちょうど1年前の去年の6月に、文部科学省より、大学改革実行プランを出しております。その中では、高校教育の質の保証と、それから大学に入ってからの主体的な学びを行っていく大学教育の充実、その接続点である入学者選抜、これを一体的に改革すべきであるという方向を打ち出しまして、これをもとに、昨年の9月から中央教育審議会の中に高大接続特別部会を設置いたしまして、ここで議論を進めていただいているところでございます。

そうした中で、政権交代がありまして、安倍政権のもとで政府に教育再生実行会議が設置されました。この会議はご承知のように、1月からスタートいたしまして、2月と4月に、それぞれいじめ対策、そして教育委員会制度のあり方について提言を出されました。その後、高等教育の議論に移ってまいりまして、5月に、大学教育のグローバル化やガバナンスについての報告をまとめ、ちょうど今日、官邸で教育再生実行会議の会合がございまして、高大接続・大学入試改革の議論がスタートするという状況でございます。恐らくこの新聞の記事というのは、今日に合わせてこれまで取材されたことをまとめられていると思いますが、今からまさに政府全体の議論がスタートいたします。教育再生実行会議は、基本的には大きな方向性をご議論いただくところであろうと思っておりまして、その方向性を受けて、中教審の特別部会で具体的な制度設計を議論するということですので、議論はこれからということであります。

一方で、政権与党である自民党の中で、教育再生実行本部というのがございます。政府は実行会議という名称で、自民党は実行本部です。ここでは、これは報道でもご承知のとおり、5月下旬に、受験生が複数回受験できる到達度テストを創設するというところまでは書かれているということで、1つの問題意識としては当然ありますし、検討の選択肢の一つとしてこれから議論されることになると思いますが、では具体的にどういう形で考えていくべきかということは、政府の検討は、まさに今日が正式にはスタートというふうにお考えいただければと思います。

今日、明日の協議会では、先ほど山本理事長からもご紹介がありましたように、「入試における評価尺度の多元化を考える」というテーマでの企画討論会、あるいは選抜方法や海外比較、特別措置に関する研究会等々、さまざまなプログラムが開催されると聞いております。政府全体でも、今、申し上げたとおり入学者選抜の改革が議論になっている中で、こうしたさまざまな観点からの議論をしていただくことは大変意義の大きいことだと思っておりますので、今日、明日のプログラムが充実したものとなりますようお祈りいたしまして、私の挨拶とさせていただきます。