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入研協ニュースNo.11

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巻頭言

平成27年度全国大学入学者選抜研究連絡協議会大会(第10回)を共催して
 
東京電機大学入試センター長
 古谷 涼秋
 
 平成27年5月27日~29日の3日間、第10回全国大学入学者選抜研究連絡協議会大会が東京電機大学(東京千住キャンパス)で開催されました。当日は大学関係者のみならず、高等学校、塾・予備校等の関係者の皆様に全国各地よりご来場をいただき、昨年度を上回る 178大学等、602名の参加者がありました。共催大学として深く感謝申し上げます。また、大学入試センターをはじめ、本大会の企画・運営にご尽力いただきました皆様方には、心より御礼申し上げます。
 さて、急速な少子・高齢化に伴う生産人口の大幅な減少傾向が続く中で、若者を取り巻く環境は、グローバル化や大学進学率55%超と大きく変化しています。このような状況の中、社会で活躍できる若者の能力を伸ばすためには、大学の入学者選抜だけではなく、日本の教育そのものの在り方が大きく問われています。社会で自立して活動していくために必要な力として、知識・技能だけでなく、思考力・判断力・表現力、主体性を持ち多様な人々と協働しつつ学習する態度が求められています。これらを踏まえて、2013年10月の教育再生実行会議が高等教育と大学教育との接続・大学入学者選抜の在り方を提言し、これを受けて中央教育審議会答申(2014年12月)では、高大接続改革の一環として、学力評価のための「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」及び「高等学校基礎学力テスト(仮称)」の導入や、能力・意欲・適性等を多面的・総合的に評価する大学入学者選抜への転換が求められています。
 このような状況を背景として、共催大学である東京電機大学が担当した公開討論会では、「大学入学者選抜の在り方について」をテーマに新たな大学入学者選抜についての検討の経緯を整理し、新テストの実施方法及び問題内容についての検討状況を踏まえ、これらのテストの大学入学者選抜における活用方法について議論しました。今後の大学入学者選抜を改善する契機になることを期待しています。
 企画討論会①では「グローバル化時代の英語運用能力の育成と大学入試」をテーマに、これからのグローバル化時代を担う世代にとってどういう英語教育が望まれるのか、いくつかの視点から話題を提供していただき、パネリストのそれぞれの立場からの活発な意見交換が行われ、大学入学者選抜における英語力の評価の在り方や方向性について、議論しました。
 企画討論会②では「各大学の個別選抜改革・再考」をテーマに、これまで多面的な評価法に積極的に取り組んできた大学の関係者を招き、評価の客観性の確保、大学の主体性、個性をどのように入試改革に反映させてきたのか、また入試改革を進めるなかで明らかになってきた課題は何か、について報告していただき、パネリスト、フロアを含めた参加者の間で活発な議論を行いました。
 今年度は、公開討論会に加えて企画討論会①・②ともに一般の方々が参加できるプログラムとしたため、高校関係者など多くの参加があり、総じて関心の高さが伺われました。
 なお、公開討論会及び企画討論会①・②、初日の大学入試センターセミナー「大学入試と高校生の学習行動」の詳細については、大学入試センターが発行する「大学入試研究の動向 第33号」に掲載される予定です。また、3日目の研究会では、6つのセッションにて合計36の研究成果が大学入試センターや各大学から発表されました。これらの発表の詳細は、大学入試センターが発行する「大学入試研究ジャーナル №26」に掲載される予定ですので、発行された際には是非合わせてご覧いただければと存じます。
 最後に、研究会を含めて3日間の日程を無事盛況裏に終えることができました。これも関係された皆様方のご尽力の賜物であると存じます。ここに改めて感謝するとともに、深く御礼申し上げます。

主催者挨拶

独立行政法人 大学入試センター理事長
山本 廣基
 
 おはようございます。遠路、全国各地からこのように大勢の皆様方にお集まりいただき、まことにありがとうございます。平成27年度の全国大学入学者選抜研究連絡協議会の大会の開催に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。
 ご承知のように、この大会は当初、国立大学における入学者選抜に関する研究の交流と協力を推進し、入学者選抜方法の改善に寄与することを目的に昭和55年から毎年1回開催されてまいりました。先ほど試験研究統括官のほうから第10回とございましたが、平成18年からは、大学の入学者の選抜方法の改善に関する調査並びに研究に関する研究交流の一層の推進に資するために、国公私立大学の研究者並びに入試の事務を担当されている方々を対象として開催して、今回が第10回目になるということでございます。
 今年は、東京電機大学様との共催によりまして、第10回を開催する運びとなりました。本大会におきましては、本日午前に「大学入学者選抜の在り方について-学力評価のための新テストの導入を考える-」をテーマとする公開討論会、そして、午後に「グローバル化時代の英語運用能力の育成と大学入試」及び「各大学の個別選抜改革・再考―大学の主体性と個性をいかに反映させるか-」をテーマとする企画討論会を予定していますが、いずれも広く一般の方々にも公開するということとしてございます。
 皆様方も既にご承知のように、昨年末の中央教育審議会の答申「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について」という答申を受けまして、今年の初めに文部科学省は高大接続改革実行プランを策定され、発表されたところでございます。現在、その具体的な制度設計について検討が進められていますが、これらの動向につきましては、後ほどご挨拶をいただく文部科学省の橋田大学入試室長から触れられるかもしれませんが、改革実現に向けた中間まとめがこの夏にも提示される予定であるというふうに伺っております。
 こういった状況を踏まえまして、今大会では、高大接続の実現に向けた主な課題を各テーマとしたところです。1つは高等学校教育改革、そして2つ目に大学教育改革、そして3つ目に個別選抜改革の推進方策、そして4つ目に多様な学習成果・学習活動の評価、そして5つ目として新テストに関係する内容となってございます。我が国の未来を見据えた改革の方策につきまして考えていただく機会にしていただければというふうに思っております。
 言うまでもなく、大学入学者選抜につきましては、高等学校と大学をつなぐ大変重要な役割を担っており、また、その改善や、あるいはその動向は社会的にも大変大きな関心を呼んでいるところでございます。このような背景の中で、こうして大学入学者選抜にかかわる人たちが一堂に会しまして、日ごろの活動の成果について交流する機会を持つことは、まことに意義のある重要なことであるというふうに考えています。今回の公開討論会や企画討論会、そして個別研究発表を通じて、より一層の交流が推進されまして、大学の入学者選抜が改善されていくことを期待するところでございます。
 最後になりましたが、本大会におきましてご講演をいただく方々、そして今回特にこの大会の開催につきまして多大なご尽力をいただきました古田勝久東京電機大学学長様をはじめとする東京電機大学の教職員の方々、そして全国から遠路参加していただきました皆様方に心よりお礼を申し上げまして、冒頭の挨拶とさせていただきます。どうぞこの2日間よろしくお願いいたします。

共催校挨拶

東京電機大学長
古田 勝久
 
 本日は、第10回平成27年度全国大学入学者選抜研究連絡協議会大会の開催、まことにおめでとうございます。また、記念となります第10回大会の会場に本学東京千住キャンパスをお選びいただき、誠にありがとうございます。共催させていただく東京電機大学を代表して、一言ご挨拶申し上げます。
 本大会は、大学の入学者選抜方法の改善に関する調査及び研究に関し、研究交流の一層の推進に資するため開催され、毎年全国の国公立、私立大学の多くの入試研究者が参加されるという意義深い会と理解しております。今年は、社会的にも入試改革が注目される中、昨日のセミナーに始まり、本日の公開討論会と企画討論会、明日の研究会などさまざまな会合が開催されると伺っており、将来の入学者選抜の改善に資する成果を上げられることを期待しております。
 さて、本学は理工系私立大学として、創立100年を超えて社会に貢献する技術者の人材育成に努めてまいりました。ここ東京千住キャンパスは2012年に開設され、工学部、未来科学部を中心とした学生が神田より移転してきたところでございます。このキャンパスは、災害に強く、そして情報技術を用いた都市型キャンパスとして建設されました。本学での開催が、この研究会に有意義な成果を出すための協議のお役に立てるということを願っております。
なお、現在南側に新校舎建設をしており、何かとご迷惑をおかけするかと思いますけれども、何とぞご容赦願います。
 最後になりますが、本大会のご成功、そしてご参加の皆様のご健勝、ご活躍を祈念させていただき、私の挨拶とさせていただきます。

来賓挨拶

文部科学省高等教育局大学振興課大学入試室長
橋田 裕
 
 おはようございます。全国大学入学者選抜研究連絡協議会第10回大会の開催に当たりまして、一言ご挨拶申し上げます。このたび、大学入試センター、全国の国公私立大学の入試関係者の連携によりまして本大会が開催されますことを、心からお慶び申し上げます。
 さて、大学入学者選抜の改革につきましては、国民にとって、非常に関心の高いテーマでございます。現政権下におきましても、重要なテーマの一つして、高大接続改革、大学入学者選抜の改革が掲げられているところです。昨年12月の中央教育審議会におきましては、教育改革の最大の課題でありながら、実現困難だった高大接続改革、これを初めて現実にするという意気込みの下で答申がまとめられております。この中では、学力を構成する知識・技能、思考力・判断力・表現力、主体性・多様性・協働性、こういった要素を十分に育んでいくという観点から、高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の改革が提言されたというところでございます。
 高等学校教育につきましては、アクティブ・ラーニングの飛躍的充実、学習指導要領の見直し、また、高等学校基礎学力テスト(仮称)の導入も提言されたというところでございます。大学教育につきましては、大学全体としてのカリキュラム・マネジメントの確立や、アクティブ・ラーニングの充実といったようなことも盛り込まれております。大学入学者選抜につきましては、ご案内のとおり、大学入試センター試験に代わる新たなテストとして、大学入学希望者学力評価テスト(仮称)の導入が提言されたというところでございます。併せて、個別選抜につきましては、学力の3つの要素を多面的、総合的に評価していくという観点での選抜の見直し、アドミッション・ポリシーの明確化といったようなことも盛り込まれているというところでございます。
 こういった答申を受けまして、文部科学省としても、今年の1月に高大接続改革実行プランを策定いたしまして、その重点施策、工程表を示させていただいております。また、今年の3月からは、高大接続システム改革会議を立ち上げまして、新テストの在り方や個別選抜改革の推進方策をはじめ改革の実現のための具体的方策について議論いただいているところです。会議の中間まとめにつきましては、本年夏ごろ、また、最終まとめにつきましては本年中を目途にということで、今議論を進めているところでございます。
 こういった中、全国の大学入学者選抜の関係者が一堂に会し、研究交流を図りまして、研究、協議を行っていただくというのは、非常に有意義な取り組みと捉えております。今後の改革の議論にも、資するものになってくると思っております。この後は公開討論会も予定されておりまして、私も参加させていただく予定にしております。また、午後の企画討論会、明日の研究会、いずれも今回の高大接続の答申、改革実行プラン、国の動きを踏まえて、それぞれ皆さんどう受け止めているのか、また、今後どういう道筋を考えていくのかといったような観点で、活発な議論がなされるものと期待しております。
 今回の高大接続改革につきましては、例えば、新テストについて記述式の導入、CBT方式の導入といったようなことも言われております。克服すべき課題もたくさんございます。答えのない問題に答えを見出すといったような観点で、私ども自身の思考力・判断力・表現力や主体性・多様性・協働性も問われているような重たい課題も背負っていると思っております。ぜひとも皆様方の英知を結集いただきまして、今後の改革の実現につなげていきたいと思っております。その点、これからもご支援・ご協力のほどお願いしたいと思います。
 簡単ではございますけれども、私からのご挨拶とさせていただきます。