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  1. 大学入試センター
  2. 大学入学共通テスト
  3. 大学入学共通テストの概要
  4. 大学入学共通テストの業務と実施経費

大学入学共通テストの業務と実施経費

大学入試センター(以下、本ページでは「センター」といいます。)は、大学が共同して実施する試験である大学入学共通テスト(以下、本ページでは「共通テスト」といいます。)に関し、一括して処理することが適当な業務」行っています。
本ページでは、共通テストの実施に際し、センターが行っている業務や、これに必要な経費等について紹介します。

大学入試センターの収支

収入・支出の大半を共通テスト実施関連の項目が占めています。

センターの収入

  • 右のグラフは、センターの1年間の収入の内訳を示しています。
  • 志願者からいただいている検定料・成績通知手数料、受験者の成績を大学に提供する際に大学からいただいている成績提供手数料でセンターの収入の約94%を占めています。
  • センターは、平成23年度以降、から運営費交付金(※)が措置されていません。

(※)運営費交付金とは、政府が予算の範囲内において、独立行政法人に対し、その業務の財源に充てるために交付する資金のことです。

センターの支出

  • 右のグラフは、センターの1年間の支出の内訳を示しています。
  • センターの支出のうち約83%を占める試験実施経費は、共通テストの実施業務と関連した直接的な経費であり、狭義のものです。このほか試験実施業務に関連する人件費等については別途計上しています。
  • センターは、共通テストの実施のほか、大学の入学者選抜方法の改善に関する調査研究、大学に関する情報の提供業務を行っています。これら業務に関する支出には、それぞれ入学者選抜方法改善研究経費、大学入学共通テスト情報提供経費が充てられています。




試験実施経費(狭義)の内訳と関連する業務

共通テストの実施に関する多様な業務に充てられるのが試験実施経費です。
  • 支出のうち、大半を占める試験実施経費の内訳を下の表、及びグラフで示しています。 
  • 試験実施経費の内訳は、試験問題の作成・点検や試験問題等の印刷・輸送など、試験問題に関する経費が約52%、試験場を設定する学に配分する試験会場運営費等が約31%、志願者、受験者、大学に関するセンター業務の経費が約12%となっています。
試験実施経費の内訳金額
(百万円)
関連する業務
(ページ内リンク)
試験問題に関する経費
(人件費を除く)
5,214 試験問題の作成・点検
試験問題等の印刷・輸送
試験問題の外部評価と自己点検・評価
大学に配分する
試験会場運営費等
3,078 共通テストの実施(受験上の配慮の実施を含む)
志願者、受験者、大学に関するセンター業務の経費
(大学に配分する試験会場運営費等、及び人件費を除く)
1,183 受験案内の作成
出願の受付、試験場の指定、受験票の発行
各種マニュアル等の整備、試験実施業務の周知徹底
答案の採点・集計
試験成績の各大学への提供
試験成績の本人通知
その他の経費
(人件費を除く)
512 共通テストの企画・立案
共通テストの実施
受験上の配慮事項の決定等
合計9,987




共通テストに関する業務の流れと全体像

年間スケジュールのイメージ
共通テスト実施前
共通テスト実施当日
共通テスト実施後



共通テスト実施前の業務(実施に向けた準備、問題の作成など)

共通テストの企画・立案

大学・高等学校等関係者などで組織する委員会、部会等で審議しています。
  • 共通テストの企画・立案に関して調査審議するため、国公私立大学関係者や高等学校関係者等で組織する「大学入学共通テスト企画委員会」をはじめとする各種委員会等を置いています。
  • 後述する「受験案内」「受験上の配慮案内」や試験実施に関する各種マニュアル等の内容もこれらの委員会等で審議しています。
共通テストの企画・立案に関する主な委員会、部会
会議体の名称 具体的な審議事項
大学入学共通テスト企画委員会 以下の主な事項の基本方針の策定及びその他の重要事項について調査審議する。
  • 実施計画、出題教科・科目、出題範囲
  • 実施方法及び情報処理
  • 受験上の配慮
  • 問題作成
実施方法部会 実施方法及び情報処理に関し、基本方針案の策定、企画・立案に関する事項を調査審議する。
配慮事項部会 障害等のある志願者に対する受験上の配慮に関し、基本方針案の策定、企画・立案に関する事項を調査審議する。
問題作成部会 共通テストの問題作成に係る基本方針案の策定及び共通テストの問題作成等を行う。

受験案内の作成

共通テストの「受験案内」を作成・配付しています。
受験案内の作成
  • 志願者及び高等学校等関係者が、共通テストの出願手続きや試験の制度について十分に理解した上で、出願手続きを円滑に行うことができるよう、必要な事項をまとめた受験案内を作成しています。
  • 受験案内は、共通テストを利用する各大学(以下、本ページでは「利用大学」といいます。)及び全国学校案内資料管理事務センターを通して配付しています。
  • 受験案内には、共通テストの出願書類である志願票及び検定料等払込用紙を添付しています。出願に際しては、受験案内の入手が必要です。

令和6年度受験案内_表紙受験案内の表紙
(令和6年度共通テスト)
高等学校等関係者への周知
  • 高等学校等関係者には、志願者が間違いなく出願できるよう指導を依頼するとともに、出願書類の取りまとめ等、共通テストの実施についてのご協力をお願いしています。
  • 出願手続きや受験上の留意点等を十分に理解してもらえるようにするため、解説資料の提供等を行い周知しています。また、SNS等を用いた発も行っています。
メガホンで応援する人ピクトグラム

出願の受付、試験場の指定、受験票の発行

約50万人の出願を受け付け、実施に向けた準備を滞りなく進めています。
出願の受付
  • 志願票などの出願書類は、すべてセンターに届きます。
  • 約50万人の出願書類について、受付や点検(書類の不足がないか、記入漏れ・誤りがないかなど)及び登録処理を約20日かけて行います。
【加工】H30.10.01出願受付出願受付の様子
  • 登録処理が終わった後は、全ての志願者に対して「確認はがき」を郵送します。
  • 確認はがきで出願を受理したことを通知するとともに、受理した内容のうち特に重要な事項を志願者本人に確認してもらい、意図しない内容での出願や、出願登録のミスを防ぎます。
  • 確認はがきの内容について志願者から所定の期間内に訂正の届出があれば、登録内容を訂正します。
  • 訂正を処理した後、志願者情報が確定します。
R6_確認はがき_見本確認はがきの見本
試験場の指定
  • 共通テストの試験場の設定は、原則として都道府県ごとに組織される、利用大学間での連絡会議において協議されます。
  • センターは、確定した志願者情報をもとに、各志願者の試験場を指定します。
  • 指定にあたっては、志願者数の分布や、試験場の収容数やトイレ等の設備、一部教科についての受験する科目数の組合せ等、様々な要素を考慮します。       
  • 原則、高等学校等(通信制課程を除く。)に在籍している卒業見込みの志願者は高等学校等の所在地をもとに、それ以外の出願資格の者は志願票に記入された現住所をもとに、試験場を指定します。      
15951
受験票の発行
  • 例年12月中旬頃までに、受験票を発行し、出願を受理した志願者に送付します。
  • 受験票には、試験場や登録教科等が印字されています。志願者は、試験当日、この受験票を持参する必要があります。
受験票の見本受験票の見本
  • 受験票の送付の際には、共通テストの受験に当たっての注意事項等が記載された「受験上の注意」を同封しています。

R6受験上の注意表紙受験上の注意の表紙
(令和6年度共通テスト)

受験上の配慮事項の決定等

病気・負傷や障害等のために、受験に際して配慮を希望する志願者に対し、個々の症状や状態等に応じた受験上の配慮を行っています。
受験上の配慮について
  • 受験上の配慮については、障害等の種類や程度にかかわらず、必要な配慮事項を申請することができます。
  • 志願者から提出された申請書類について不明な点等がある場合は、センターから志願者に連絡の上、確認や相談を行います。
  • 申請のあった配慮事項については、センターに設置する、医師や特別支援教育の専門家で構成する会議体において、個々の症状や状態等を総合的に判断の上、審査を行い、その結果を志願者に通知しています。       
  • 許可された配慮事項については、必要に応じて志願者や試験場大学と事前に打ち合わせを行います。
  • 志願者専用の電話を設け、年間を通して個別相談にも対応しています。
令和6年度配慮案内表紙受験上の配慮案内の表紙
(令和6年度共通テスト)
主な配慮事項(例)
配慮の種別 主な配慮事項(例)
解答方法や試験時間に関する配慮 点字解答、文字解答、チェック解答、代筆解答、試験時間の延長(1.3倍、1.5倍)
試験室や座席に関する配慮 1階又はエレベーターが利用可能な試験室で受験、トイレに近い試験室で受験、座席の指定(前列に指定、出入口に近いところに指定、窓側の明るい座席を指定など)、別室の設定
持参して使用するものに関する配慮 拡大鏡等の持参使用、補聴器又は人工内耳の装用、車椅子の持参使用、杖の持参使用、特製机・椅子の持参使用
その他の配慮 拡大文字問題冊子(文字サイズ14ポイント、22ポイント)の配付、特製机・椅子の試験場側での準備、手話通訳士等の配置、注意事項等の文書による伝達、リスニングの免除、リスニングにおける音声聴取方法の変更、試験場への乗用車での入構

各種マニュアル等の整備、試験実施業務の周知徹底

共通テストの公平かつ円滑な実施のためのマニュアル等の策定・周知を行っています。
各種マニュアル等の整備
  • 共通テストは、同一の期日に同一の試験問題により、全国約700の試験場において実施する全国規模の試験です。各試験場において公平かつ円滑に試験が進められるよう、「実施要領」や「監督要領」等の、統一的な基準を示す各種マニュアルを整備しています。
  • 各種マニュアルは、過年度試験の実施結果や、各利用大学からの意見・要望などを踏まえて、毎年見直しを行っています。
メモとペンピクトグラム
試験実施業務の周知徹底
  • 各利用大学に対して、留意点や、前年度からの変更点等を分かりやすく解説した説明資料や解説ビデオを提供し、試験実施業務の具体的内容について周知徹底を行っています。 また、監督者等へ対し、監督業務及び担当業務を周知徹底するための監督者等説明会を開催するよう要請しています。

試験問題の作成・点検

良質な問題の作成に取り組んでいます。
共通テストは、大学入学志願者が大学で学ぶために必要な能力を有しているかを各大学が把握することができるよう、高等学校の段階における学習の達成の程度を判定することを目的としており、 良質な問題を作成することはセンターの重要な使命です
センターでは、毎年の問題作成や点検を慎重に行うとともに、試験終了後には問題に関する外部評価、自己点検・評価を行い、良質な問題の作成に取り組んでいます。
約2年間にわたる問題作成と点検の体制
  • センターでは、試験実施の約2年前に「問題作成方針」を策定し、公表します。この問題作成方針に基づいて、問題作成や点検が行われています。
  • 各分野の専門性を有する国公私立大学の教員等、延べ600人以上が問題作成や点検に携わっています。
  • 情報漏洩防止の観点から、問題作成や点検はセンターの施設内で行われており、問題作成委員は、年間約15回、延べ50日程度(1回あたり3~5日程度)センターに来訪し、問題作成にあたります。
  • また、点検委員は、問題の正確性やクオリティを高めるため、学術的な観点や、問題作成方針との整合性、難易度や出題範囲等の妥当性の観点など、様々な観点から点検を行うとともに、科目間の内容の重複等についても横断的・総合的に点検しています。
  • 問題作成委員は、点検委員からの意見を踏まえて更に問題に修正を加えます。問題作成は、「作成(修正)」と「点検」のサイクルを複数回繰り返しながら、十分な議論を尽くし、慎重に行われています。       
  • なお、委員の氏名をはじめとする問題作成に関わる情報は厳重に管理しており、各委員は、職務を遂行する上で知ることのできた情報に関し、その任を退いた後も秘匿する必要があります。ただし、各人が委員に就任していた事実については、各人の離任後一定期間を経た後に、官報を通して公表しています。      
厳重な管理、問題作成サイクル

試験問題等の印刷・輸送

印刷・輸送における安全で確実な輸送体制の確保及び秘密の保持を徹底しています。
コンテナピクトグラム
セキュリティ、鍵ピクトグラム
rトラックピクトグラム
  • 試験問題冊子や解答用紙等は、堅固なセキュリティを確保の上で印刷を行った後、安全で確実な輸送体制のもと、センターから専用コンテナで試験場の大学に輸送しています。
  • 大学に対して、秘密保持など輸送時の留意点を周知徹底するほか、万が一のトラブル発生時でも迅速に対応できるよう緊急時の体制を整えています。




共通テスト実施当日の業務

共通テストの公平かつ円滑な実施のため、各実施大学と緊密な連携体制を敷いています。
  • 共通テスト当日は、約700の試験会場、約1万の試験室(本試験)で連絡調整を行いながら試験を実施します。
  • 約50万人規模の試験を適切に実施するため、大学入試センターが作成した各種マニュアルに基づき、全国で数多くの大学教職員が試験の運営(試験本部作業、試験監督、受付、警備等)を担当します。
  • センターと各大学との連絡交信には、専用の電話・PCを準備し、緊密な連携体制を敷いています。
  • 受験上の配慮については、必要に応じて受験者や試験場大学と事前に打ち合わせを行った上で試験を実施しています。
試験実施イメージ共通テスト当日の試験室(東京大学本郷試験場)



共通テスト実施後の業務(答案の採点、成績通知など)

答案の採点・集計

正確な採点のために万全を期しています。
  • 受験者の答案等は、すべてセンターに返送されます。令和5年度試験においては、返送された答案枚数はおよそ320万枚です。
  • 答案は、OMR(光学式マーク読取装置)を用いて、約4日間かけて読み取ります。
OMR2OMR(光学式マーク読取装置)

試験成績の各大学への提供

  • 共通テスト利用大学は、入学者選抜に用いるため、志願者から提出された「成績請求票」に基づき、センターに成績を請求します。
  • センターは、利用大学の請求に基づき、共通テストの成績を提供しています。
  • 令和5年度共通テストでは、851大学に対して、のべ1,492,094件の成績を提供しました。提供件数の内訳は右表のとおりです。
種別 成績提供件数(件)
国立大学 320,163
公立大学 133,326
私立大学 1,034,045
短期大学 4,288
公立専門職大学 210
私立専門職大学 62
合計 1,492,094

試験成績の本人通知

  • 出願時に成績の通知を希望した受験者には、試験終了後の4月以降、試験成績の通知を行います。
成績通知表の見本成績通知書の見本

試験問題の外部評価と自己点検・評価

  • 問題の質を高めるため、各年の試験終了後、問題ごとの正答率などの詳細な分析を基に、高等学校等教員・教育研究団体による外部評価と問題作成者による自己点検・評価を実施し、その評価結果を次年度以降の問題作成に活用しています。
  • 評価結果については、各教科の正答率や得点分布などとともに問題評価・分析委員会報告書として公表しています。
評価
【不断の改善】